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トンネル施工情報を一元管理するトンネル施工情報管理システム開発(2008年3月18日)

飛島建設(株)
-レーザーマーキング技術と画像処理・計測技術を融合、計画・設計及び施工実績の情報活用を画期的に改善-

 飛島建設(株)(社長:池原年昭)は、トンネル掘削工事における切羽(掘削面)地質状態の観察結果や画像情報、計画・設計情報を電子化し、一元管理することで、素早く容易に検索し分析することを可能にする「トンネル施工情報管理システム」を開発し、県道山口宇部線道路改良(小郡トンネル)工事に採用しました。その結果、所定の成果を確認することができました。このシステムでは、情報を電子化・一元管理し、それらを多種多様に分析・表示する機能に加え、切羽画像の利用に特徴的な機能を取り入れ、情報の管理や活用性を画期的に向上させました。
 切羽画像の利用に関しては、レーザーマーキング技術と画像処理・計測技術を融合し、任意の場所からデジタルカメラで撮影した切羽画像を、内蔵したプログラムにより、注1)オルソ画像に変換処理することで撮影~データベース登録処理を画期的に改善しました。このシステムを利用することにより、地質情報の取得から電子化までの省力化や情報の精度向上が図られます。
 これまでトンネル全体にわたって計画・設計情報、施工実績情報、切羽観察情報、切羽画像情報の検索や分析に多大な労力を要していましたが、本システムの開発は、これらを改善し、施工管理の合理化や施工品質の向上に大きく貢献するものです。特に計画変更などの必要性が発生した場合において、大きな威力を発揮するものと考えています。また、将来の維持管理において施工時の情報を把握したい場合に有効なシステムとして期待されます。

【トンネル施工情報管理システムの概要】

 当システムは、1)切羽撮影画像処理機能、2)情報管理・分析・表示機能の2段階で構成されます。

1)切羽撮影画像処理機能
〈主な機能〉
・オルソ画像に変換処理(撮影位置・ズームの違う画像をオルソ画像化し直接比較)
・撮影画像を用いた画像計測(地質境界位置や掘削面積を計測可能)

 レーザーマーキング装置により3次元座標が既知のレーザー光を切羽面に照射します。このレーザー光を切羽撮影時に写し込み、切羽撮影画像上のレーザー光照射点を、変換処理において必要な基準点として、切羽撮影画像をオルソ画像に変換処理します。オルソ画像に尺度を与えることで、寸法や面積などを画像から得ることができます。

画像取得

画像処理(オルソ画像への変換処理)

情報一元管理・分析・表示機能

〈主な機能〉

◆情報の一元管理

  • 計画
  • 設計情報、施工実績情報、切羽観察情報、切羽画像情報を電子化し一元的に管理

◆多様な分析、画像表示機能

  • 撮影画像の管理
  • 画像計測
  • 地質縦断・横断図作成・予測
  • 情報(切羽位置・切羽画像・支保パターンなど)の3次元可視化表示
  • 土被りや切羽画像をトンネル線形に合わせてわかりやすく表示
  • マウス操作で対象地点の詳細情報を表示

【開発の経緯と本システムの有用性】

 山岳トンネル建設工事では、より安全な施工を行うため、計画・設計情報と実際に掘削した切羽の地質状態、施工実績、写真などを記録し、必要に応じてそれらを検索し、計画と実態を比較・分析しています。しかし、施工現場で切羽の地質状態の観察記録をとりまとめることや、トンネル全体にわたり予実績を管理し分析することに多大な労力を費やしています。そのため、これらの情報を一元管理し、素早く容易に検索や分析ができ、わかりやすく表示されるシステムが切望されていました。
 本システムはこれらの課題に対して、2つの機能で対応するものです。
 ひとつは、(1)トンネル情報(計画・設計情報、施工実績情報、切羽観察情報、切羽画像情報)の一元管理、(2)検索・分析作業の高度化・省力化、(3)トンネル情報の可視化・電子化という情報の一元管理・分析・表示機能です。
 もうひとつは、日常の施工管理として撮影されている切羽(掘削面)撮影画像を有効に活用する切羽画像処理機能です。すなわち、レーザーマーキング技術と画像処理・画像計測技術の融合により実現した、切羽撮影画像を用いた画像処理・計測機能です。
 本システムを利用することで、関連する情報を一元管理することができ、過去(既施工区間の施工実績情報)、現在(掘削中の切羽状況や画像計測による掘削面積)、未来(今後の計画・設計情報や地質の予測)をひとつのシステムで評価することが可能となりました。施工管理を飛躍的に合理化するとともに高品質の施工を実現するシステムです。

【従来の情報管理手法】

計画・設計情報、施工実績情報、切羽観察記録情報、切羽画像情報がそれぞれ別々に保管・管理されている。
注1)オルソ画像
 カメラ撮影画像は、ある中心点から撮影するため、レンズの形状の関係で端の方にひずみが生じます。オルソ画像とは、ひずみの無い正射投影の画像で、平面図のように実物と相似形の画像のことです。ひずみがある中心投影の写真画像をひずみのないオルソ画像に変換し、尺度を与えることで画素数から実物の寸法や面積が計算できます。(⇒イメージ:鳥瞰図から平面図をつくるようなもの)

【今後の展開】

 今後、当社施工のトンネル建設工事において、品質の向上および省力化を目的に本システムを適用していく予定です。
 ※本システムは、山口県山口土木建築事務所が建設を進めている県道山口宇部線道路改良(小郡トンネル)工事(施工:飛島建設・フジタ・藤本工業・栗本特定建設工事共同企業体)において開発し、本建設工事に試験的に適用しています。

【ニュースリリースに関するお問合せ先】

広報部 小島 秀二郎 TEL.03-5214-8212

【技術・資料に関するお問合せ先】

技術研究所 第一研究室 松田 浩朗 TEL.04-7198-7572

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