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高周波誘導加熱による除去式アンカーの長期耐久性を確認(2008年9月24日)

高周波誘導加熱による除去式アンカーの長期耐久性を確認
―IH 除去式アンカーの信頼性向上―

 飛島建設(株)(社長・池原 年昭) は、高エネルギー加速器研究機構 (機構長・ 鈴木 厚人) と共同研究で開発した「IH除去式アンカー(Induction Heating:誘導加熱)」について、長期耐久性試験施工を行い、設置後約1年弱の残置期間の経過後、所定の耐久性能を維持していることを確認いたしました。この「IH除去式アンカー」は、アンカー設計の最適化・アンカー除去効率などの向上を狙いに「高周波誘導加熱技術を利用した除去式アンカー」として開発し、平成19年9月の試験施工で地中での切断および引き抜きを実証しています。

長期耐久性試験施工概要

実施時期:平成20年7月31日(アンカー設置時期:平成19年9月18日)
実施場所:高エネ研ニュートリノT2K(作)茨城県東海村
施工協力:日本基礎技術(株)

【IH除去式アンカー概要】
形式       :圧縮荷重分散型の鋼製2段式IH除去式アンカーおよびコンクリート製IH除去式アンカー
試験施工数量   :鋼製2段式IH除去式アンカー、コンクリート製IH除去式アンカー 各1セット
PC鋼より線    :鋼製2段式アンカー4本(2段×2本)、コンクリート製アンカー3本(1段×3本)
PC鋼より線径と長さ:直径12.7mm、アンボンドタイプ、アンカー長は12m
緊張荷重     :鋼製2段式アンカー200kN/セット、コンクリート製アンカー150kN/セット
建込み角度    :15゜の傾斜

1)鋼製2段式IH除去式アンカー

 2段の耐荷体それぞれにポリエチレン管で被覆した2本のPC鋼より線を把持し、アンカー緊張力を支持地盤に定着し荷重を支えます。各耐荷体中には高周波コイル除去装置が設置されています。

2)コンクリート製IH除去式アンカー

 PC鋼より線除去後も耐荷体は地中に残置されます。地中に残置される金属物を最小にするため、耐荷体をコンクリート製とし、コンクリート中に高周波コイル除去装置を組み込みました。コンクリート強度は70N/mm2としました。
 

3)除去施工結果

 2007年9月18日、削孔後アンカーを建て込み、PC鋼より線を緊張しました。(削孔から緊張までは通常作業と同様です)2008年7月31日、PC鋼より線を緊張状態で、IH除去式アンカーに高周波電流を通電し約80秒で全てのPC鋼より線を切断することができました。切断したPC鋼より線は人力で引き抜き撤去しました。

今後の展開

 今回の良好な試験施工結果により、装置全体のコンパクト化を図り、合理的・確実な除去式アンカー工法として改良を重ね、建築・土木の幅広い現場に適用可能な技術として普及に取り組みます。

高周波誘導加熱技術

 導電体(PC鋼より線)に絶縁被覆導線のコイルを巻き、このコイルに高周波電流を流すと、PC鋼より線には誘導磁界によって高密度の渦電流が流れます。PC鋼より線に流れる渦電流によりジュール熱が発生し、PC鋼より線が発熱します。高周波誘導加熱はPC鋼より線自体が発熱するので、ニクロム線等によるヒーター加熱方式に比べ熱効率が良く、短時間で高温加熱することが可能です。

開発の背景

 近年、仮設土留の支保工のひとつとしてアンカー工法がありますが、過密化する都市部では民地境界を侵すため、近年、除去式アンカーの使用が増えてきています。それに応えて各種の除去式アンカー工法が提案され採用されていますが、多くが設計上偶数本のPC鋼より線となり最適な設計ができない、引き抜き時特殊なウインチ等が必要、除去費用が高い等の課題も有ります。本技術は最適なアンカー本数が選択でき、簡単な装置によりPC鋼より線を確実に除去できることなどを狙いに開発した技術です。

IH除去式アンカーの特長

  1. アンカーとして奇数本のPC鋼より線も採用可能です。旧来の偶数本とする必要のある除去式アンカーと比べ、最適なアンカー本数設計が可能です。
  2. 耐荷体先端でのループ加工が無いので、PC鋼より線許容荷重の低減がありません。
  3. PC鋼より線引き抜き時、特殊なウインチ等は不要です。(今回試験施工では人力除去が可能でした)
  4. 従来の一般的な除去方法ではPC鋼より線にくせ(らせん状)が付き、引き抜き後の処理に課題がありました。本工法はPC鋼より線が直線的に切断されるので、従来方式と比べ除去後のPC鋼より線処理が非常に容易です。
  5. 除去費用を含めたトータルコストの低減が可能です。

参考:試験施工状況

(1)IH除去式アンカー設置状況   (2)切断後、人力による引き抜き状況
 
 

ニュースリリースに関するお問合せ先

技術研究所 知財企画室 担当:岡 TEL.04-7198-7581
土木事業本部 機電部 担当:堀崎 TEL.03-5214-7094
社長室経営企画部広報G 担当:小島 TEL.03-5214-8212

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