HOME » プレスリリース » 過去分 » 「地震防災システム(緊急地震速報活用システム)」の開発と土木現場への展開(2008年11月4日)

「地震防災システム(緊急地震速報活用システム)」の開発と土木現場への展開(2008年11月4日)

伝達機器選択方式採用により、有線固定式から無線移動式まで現場の多様性に対応

 飛島建設株式会社(社長:篠部正博)は、土木現場のような工種や規模が様々で、それぞれ異なるニーズに対応できる緊急地震速報を活用した「地震防災システム」を構築し、2つの土木工事現場に導入しました。ひとつは、複数の移動式大型重機が比較的広い施工領域を移動するといった、情報の伝達方法と地震時の対応に特色があり、もう一方は、都内でオフィスや民家が密集する場所での大型土木工事現場で、色々な作業が狭い作業範囲で交錯するといった特色を有する現場への導入です。
 また飛島建設は、「防災のトビシマ」を標榜し、防災・減災関連技術の開発や展開、それぞれの地域での防災意識啓発活動の推進、防災イベントへの参画など、積極的に社会貢献に努めています。今回開発した「地震防災システム」についても、「地域防災」に役立てようと地域の方々と共に取り組みを始めました。

地震防災システム(緊急地震速報活用システム)概要

 緊急地震速報を用いた地震防災システムは、「インターネットを利用する伝達機器(伝達システム)」と、「作業員の行動計画や教育訓練(運用システム)」で構成されます。
 当社の「地震防災システム」の伝達システムでは、緊急地震速報の伝達機器の組み合わせを自由に選択できるフレキシブル機器選定方法を採用しています。土木工事現場は、高層ビル建築現場の固定型クレーンように限られた地域・空間での作業とは異なり、現場によって工種、規模、周辺環境、電気・通信回線の利便性、そして安全性確保の対象が異なるため、ほとんどのケースに対応できるシステムにしました。
 また「地震防災システム」の情報を伝達する予想震度設定などの運用面で、当社独自に蓄積した過去の様々な地震被害調査結果や経験を活かしています。実際の運用で最も重要と考えられている緊急地震速報が伝達された場合の行動について、きめ細かな手順を作成し、新規入場者教育や防災訓練などを通じ、周知と教育の徹底を図りました。
 都内の現場では看板を作成して近隣の方々への周知を行い、必要に応じて緊急地震速報の共有を図っています。

工事適用例-1

工事件名

:東京国際空港東側整備地区場周道路
 地下連絡通路他地盤改良工事
施工場所 :東京都大田区羽田空港
発注者 :国土交通省関東地方整備局
施工者 :飛島建設
工 期 :2007/11/6 ~ 2008/9/12
 

〈工事の特徴〉
 地盤改良を行う工事現場であり、複数の長さ約40mのロッドを有する杭打機が昼夜稼働しています。そのため、移動中などに大地震に遭遇した場合には、安全性が損なわれる可能性があります。特に当現場は滑走路近傍にあり、羽田空港が持つ社会的重要性を考えても、最大限の地震対策技術を導入する意義は極めて大きいと考えられます。

 

〈地震防災システム〉
 当現場は400m×200mの広域な敷地を有するとともに、電気・通信網が未整備であり、有線を用いた一般的な緊急地震速報システムの導入が困難でした。そこで、以下のようなシステムを構築しました。

  • 緊急地震速報の受信には省電力型のノートパソコンとモバイル通信を採用する。
  • 受信した緊急地震速報は、無線通信により携帯型警報器に転送し、ブザー音と赤色点滅を発して地震の発生を周知する。
  • 緊急地震速報の伝達対象を砂杭打設機のオペレーターに限定し、激しい工事騒音の中でも確実に伝わるように、全てのオペレーターが携帯型警報器を所持する。

なお当工事は当年8月末に終了しており、工事期間中に当該地点で設定震度以上が予測された地震はありませんでした。

工事適用例-2

工事件名

:小右衛門給水所2号配水池及び
 場内配管並びに立坑築造工事
施工場所 :東京都足立区中央本町3-8
発注者 :東京都水道局
施工者 :飛島・戸田建設共同企業体
工 期 :2007/10/4 ~ 2009/5/29(第4期)
 

〈工事の特徴〉
 都内の給水所建替え工事であり現場は多くの住宅によって囲まれています。この敷地は将来、住民の緊急避難場所及び応急給水拠点にもなります。

 

〈地震防災システム〉
 この現場敷地の広さは約80m×170m、地上(5m)および地下(10m)の工事で、作業範囲が3次元に広がっており、複数の作業が限られた範囲で同時に遂行されるため、前述の羽田空港における工事のように、緊急地震速報を伝達する対象を限定することができませんでした。そこで、以下のようなシステムを構築しました。

  • 複数の作業が行われることから、死角にならない場所に音声合成回転灯を設置して、構内全域に音声と光で緊急地震速報を伝達する。
  • 緊急地震速報が伝達された場合の行動手順を明確にし、新規入場者教育や防災訓練などを通じて、工事関係者全員への周知と教育を徹底する。

〈地域防災への取組〉
 近隣が住居に囲まれている小右衛門作業所では、月に一度の町内会への工程配布しています。また、工事事務所の外側に緊急地震速報を導入していることやその内容をわかりやすく示した看板を掲示するなど、地域住民と防災意識の共有を図ると共に、地震防災システムを地域防災に活用できる方法を住民と共に模索しています。

今後の課題と展開

 先般の岩手・宮城内陸地震や昨年の能登半島沖地震、新潟県中越沖地震など、ここ数年比較的規模の大きい地震が連続して発生しています。これらの地震は、地震危険度が高くないと考えられた場所で発生しており、今後も地震が近々発生すると想定されていない場所で地震が発生する可能性が否定できません。
 当社では発注者および近隣住民の方からのご理解とご協力を得て、多くの工事現場に本地震防災システムを展開し、工事現場における地震時の安全性確保と地域防災に役立てるよう、緊急地震速報を最大限に生かせる方法をこれからも考えていきます。

技術・資料に関するお問合せ先

技術研究所 第二研究室 高瀬 裕也 TEL.04-7198-7553

ニュースリリースに関するお問合せ先

社長室経営企画部広報G 担当:小島 TEL.03-5214-8212

ページ上部へ戻る