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高周波誘導加熱による除去式アンカー(IH 除去式アンカー)開発完了・商品化へ(2009年1月28日)

高周波誘導加熱による除去式アンカー(IH 除去式アンカー)開発完了
-IH 除去式アンカー商品化へ-

 飛島建設(株)(社長・篠部 正博) は、高エネルギー加速器研究機構 (機構長・ 鈴木 厚人) と共同研究で開発した「IH除去式アンカー(Induction Heating:誘導加熱)」を実用化するため、日本基礎技術(株)(社長・中原巖)と共同で改良を行い、このほど新耐荷体による商品化のための性能確認をいたしました。IH除去式アンカーは、アンカー設計の最適化・アンカー除去効率の向上等を目的に「高周波誘導加熱技術を利用した除去式アンカー」として開発、過去4回の実フィールドで試験施工を行い、切断・引き抜き性能および耐久性能を実証しています。

性能確認試験施工概要

実施時期 :平成21年1月28日(アンカー緊張工:平成20年12月25日)
実施場所 :飛島建設 技術研究所 屋外ヤード
共同実施者 :日本基礎技術(株)

IH除去式アンカー概要

形式:圧縮荷重分散型2段式IH除去式アンカ
試験数量:3セット(内、1セットは長期計測のため残置予定)
PC鋼より線:4本(2段×2本)が2セット、3本(1段目×2本+2段目1本)が1セット
PC鋼より線径と長さ:直径15.2mm、アンボンドタイプ、アンカー長23m
緊張荷重:470kN/4本線、360kN/3本線(240kN/2本線 長期計測用)
建込み角度:鉛直方向

1)IH除去式アンカー(2段式)

 2段の耐荷体それぞれにポリエチレン管で被覆したPC鋼より線を把持、アンカー緊張力を支持地盤に伝え、定着し荷重を支えます。各耐荷体中には高周波コイル除去装置が設置されています。

2)IH除去式アンカー旧耐荷体との比較

3)IH除去式アンカー新耐荷体の改良点

  1. 加熱コイルを耐荷体中に組み込む事でPC鋼より線のみ加熱可能となり、従来より少ないエネルギーで切断可能となった。
    参考:従来500℃までの加熱時間が60秒だったものが、新方式では40秒に短縮された
  2. アンカー体緊張時、一部軟弱な地盤に遭遇して耐荷体が移動する場合、耐荷体の移動にたいして柔軟に対応可能とした。
  3. IH耐荷体を大量生産可能な鋳物製として標準化、コストダウンを計った。

4)施工結果

2008年12月18日:削孔後アンカーを建て込み
2008年12月25日:PC鋼より線緊張(削孔から緊張までは従来工法と同様)
2009年01月28日:切断撤去予定

今後の展開

 今回の試験施工結果により、飛島建設と日本基礎技術はIH除去式アンカーを建築・土木の幅広い現場に適用していきます。

参考資料:高周波誘導加熱技術

 導電体(PC鋼より線)に絶縁被覆導線のコイルを巻き、このコイルに高周波電流を流すと、PC鋼より線には誘導磁界によって高密度の渦電流が流れます。PC鋼より線に流れる渦電流によりジュール熱が発生し、PC鋼より線が発熱します。高周波誘導加熱はPC鋼より線自体が発熱するので、ニクロム線等によるヒーター加熱方式に比べ熱効率が良く、短時間で高温加熱することが可能です。

開発の背景

 近年、仮設土留の支保工のひとつとしてアンカー工法がありますが、過密化する都市部では民地境界を侵すため、除去式アンカーの使用が増えてきています。それに応えて各種の除去式アンカー工法が提案され採用されていますが、多くが設計上偶数本のPC鋼より線となり最適な設計ができない、引き抜き時特殊なウインチ等が必要、除去費用が高い等の課題も有ります。本技術は最適なアンカー本数が選択でき、簡単な装置によりPC鋼より線を確実に除去できることなどを狙いに開発した技術です。

【本工法の特長】

  1. 旧来の偶数本とする必要のある除去式アンカーと比べIH除去式アンカーは奇数本のPC鋼より線も採用可能で、最適なアンカー本数設計が可能です。
  2. 耐荷体先端でループ加工が無いので、PC鋼より線許容荷重の低減(従来は10%の低減)がありません。
  3. PC鋼より線引き抜き時、特殊なウインチ等は不要です。(今回はクレーンにて一括撤去の予定)
  4. 従来の除去方法では引抜き時PC鋼より線にくせ(らせん状)が付き、PC鋼より線の処理に課題がありました。本工法はPC鋼より線が直線的に切断されるので、従来方式と比べ除去後のPC鋼より線処理が非常に容易です。
  5. 除去費用を含めたトータルコストの低減が可能です。(10%低減を目標)

参考:削孔および緊張状況

(1)IH除去式アンカー削孔状況

削孔作業

 
(2)アンカー建込み

クレーンによるアンカー建込み作業

 

孔内洗浄状況

 
 

(3)緊張作業

 

多リサイクル試験状況

 

緊張後


緊張作業

   

(4)切断及び引抜状況(公開試験施工 平成21年1月28日)

 

「耐荷体」の説明

試験施工の手順説明

     
 

高周波による切断状況

 

引抜時にかかる荷重測定

     
 

23メートルアンカー引抜状況

 

23メートルアンカー引抜状況

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