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地表面変位を基に斜面変状を推定、斜面変状に対する対策工を選定するシステムを開発(2009年4月24日)

〈斜面変状に対する施工管理システム〉
地表面変位を基に斜面変状を推定、斜面変状に対する対策工を選定するシステムを開発

 飛島建設株式会社(社長:篠部正博)は、斜面で計測された地表面変位から、斜面に発生することが想定されるすべり面を推定し、これまでに蓄積した斜面変状崩壊データベースを基に対策工を選定する一連の斜面管理情報を統合するシステムを開発しました。

統合したシステムの流れ:概略

 飛島建設は、これまで遠隔地にある斜面やトンネルなどの変状をリアルタイムに監視できるWeb計測監視システムを開発し、ダム現場の切土法面の長期監視などに適用しています。今回、このWeb計測監視システムで得られる各種計測データのうち、斜面の地表面変位データを用いて、地中内部のすべり面を推定し、飛島建設でこれまで蓄積してきた斜面変状崩壊データベースを参考にしながら、対策工の種類・規模などの立案に反映できるシステムを開発しました。





【監視】<既存システム>
○ 各種計測システム(リリース済み)
○ Web計測監視システム(リリース済み)
防災監視ルーム


斜面計測イメージ




【すべり面推定】<新規開発システム>
このシステムは、地表面の三次元変位計測により得られる変位のベクトル方向と変状の領域からすべり面を推定するもので、事前調査の不足から地山の物性値がわからないような場合でも、すべり面を推定できるのが特徴です。




【対策工選定】<新規開発システム>
必要な抑止力を算定することで、斜面変状崩壊データベースを参考にして類似事例での対策工を確認しながら、最適な対策工を選定することが出来ます。
データベースは、斜面変状の要因や形状、実施した計測工・対策工など、飛島建設がこれまで施工に関係した斜面の変状事例を中心にデータが蓄積されており、検索機能を使ってこれまでの施工事例を踏まえた最適な対策工を選定することが可能です。


今後の展開

 現在まで、地表面の三次元変位計測データを有する現場において、対策工を必要とする変形が発生した事例がないため、実際の現場でのモデル検証には至っておりません。今後、Web計測監視システムを積極的に活用して現場検証を図り、計測データの蓄積によりデータベースの充実させながら、独自データベースを活用した技術提案を図っていきたいと考えています。

参 考

○斜面管理
 地すべり地帯などの自然斜面を含む斜面変形が起こり得る全ての斜面が管理対象となりますが、現実的に管理されている例として多く見られるのは、写真(左下)のような建設工事に伴い発生する盛土や切土でできた人工的な斜面です。
FBG光ファイバセンシング技術などの様々な計測システムによって得られた斜面変形の計測データを、Web計測監視システム(写真右下)で当社技術研究所に設けた「防災監視ルーム」に集積し、異常があれば管理基準値にしたがって対応を実施します。

 

計測対象となる斜面の例

 

Web計測監視システムで計測した斜面

○地中内すべり面の推定
 すべり面の推定は、円弧すべりを仮定して分析をします。
(図左下):3次元変位を複数点(2点以上)で計測し、計測点で変位が確認された場合、変位有りと変位無しの計測点の間にすべり面が存在することになります。計測された複数の変位から「すべり中心」を割り出し、すべり中心から計測点で変位あり、変位なしの間を通る半径を持つ面をすべり面と推定します。
(図右下):その範囲のすべり半径を持つすべり面の中で最も安全率の低いすべり面となるC,φを算出します。

○対策工選定
 データベースに蓄積されている主なデータは、現場名、崩壊箇所、崩壊形状、地質特性、崩壊原因、実施した計測工や対策工です。新規入力画面でデータを入力し、保存することができます。検索画面においは、フリーキーワード入力やデータベース入力項目毎のキーワードボタン選択によって検索が可能となっており、関係する事例を選択することが出来ます。
 データベースは、当社が施工して変状の発生した斜面のデータを中心にして構築しており、飛島独自のデータベースとなっています。

ニュースリリースに関するお問合せ先

技術研究所 第一研究室 松元・阿保 TEL.04-7198-7572
社長室経営企画部広報G 担当:小島 TEL.03-5214-8212

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