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FBG光ファイバセンシング技術コンクリート埋設型計測器の開発と実用化(2009年5月28日)

FBG光ファイバセンシング技術
コンクリート内部状態を監視する埋設型(ひずみ・温度)計測器の開発と実用化

 飛島建設株式会社(社長:篠部正博)は、株式会社東横エルメス(社長:宮川勝洋、本社:神奈川県海老名市)と共同で、コンクリート埋設型FBG計測器(ひずみ計、温度計)を開発・実用化しました。コンクリート構造物内部に埋設することにより、建設段階から維持管理段階までの長期にわたり健全性を高精度に監視すると共に、建設段階での品質管理計測にも利用できます。
 平成17年に日本初となる※)TDM方式FBG光ファイバセンシング技術を実用化し、既設コンクリート構造物や岩盤斜面の表面に設置して表面のひずみや微小な変位を計測する数種類の計測器を同時に実用化しています。平成19年には、広範囲の斜面崩壊や地すべりなどの地盤変状をリアルタイムに監視するFBG伸縮計(地表面挙動)、FBG傾斜計(地盤内挙動)、FBG水位計(地下水位)を実用化しました。
 コンクリート埋設型FBG計測器により、計測精度を上げると共に施工段階から維持管理段階まで適用範囲が広がり、今まで実用化した計測器と併せて、多様化するニーズに対応できるバリエーションを揃えることができました。

FBG埋設型(ひずみ・温度)計測器

図-1)トンネル覆工コンクリート内の計測器設置イメージ
FBG埋設型ひずみ計は、構造物のコンクリート打設時に埋設し、建設時から供用中にわたって発生するひずみを測定します。FBG埋設型温度計は、FBG埋設型ひずみ計の温度補正用計測器として併設しますが、コンクリート構造物内部の温度測定が可能で、施工中の品質管理にも使用できます。
コンクリート構造物内部の挙動を詳細に、且つ長期的に監視できるので、トンネルの不良地山区間や橋梁など供用後に作用荷重が変化するものや、繰返し荷重が作用する構造物の維持管理対策に適しています。
コンクリート構造物内部の挙動を初期段階から評価しデータを蓄積することにより、新たに施工される近接工事などから受ける影響の評価も正確に行うことができます。

表-1 埋設型計測器の仕様

FBG埋設型ひずみ計    


寸法:3×3×240mm
±1,000
非直線性1%R.O.以下
1.0μ
許容動作温度 -30~+70℃
使 コンクリート構造物の内部ひずみを計測する。構造物の表面ひずみ計としても使用可能。
FBG埋設型温度計    


寸法:最大径φ16×98mm(六角軸)
温度測定範囲 -30~+70℃
1℃以内
0.03℃
許容動作温度 -30~+70℃
使 コンクリート構造物等の内部の温度を計測し、各計測器によるデータの補正を行います。

これまで実用化したFBG計測器

 FBG計測器は、平成17年に既設コンクリート構造物や岩盤斜面の表面に設置して、表面のひずみや微小な変位を計測する計測器、および、平成19年に斜面崩壊や地すべりなどの地盤変状をリアルタイムに監視する地表面や地盤内挙動および地下水位を精度良く計測するFBG伸縮計、FBG傾斜計、FBG水位計を実用化しました。今回は、コンクリート構造物を建設する際に計測器をコンクリート内に埋設するタイプのFBGひずみ計、FBG温度計を実用化しました。

表-2 これまでに実用化した計測器の仕様

これまで実用化したFSIユニットと標準FBG計測器
FSI光測定器(FSIユニット)
FBGケーブルセンサ(変位計測)
測定範囲:20mm(スパン長5m)
精度:非直線性0.5%R.O

FBGπ型センサ(クラック計測)
測定範囲:軸方向±1mm
精度:非直線性2%R.O.

FBGストラップセンサ(ひずみ計測)
測定範囲:3000μ,精度:±5μ


FBGポイントセンサ(ひずみ計測)
測定範囲:3000μ,精度:±5μ


FBG温度センサブロック
測定範囲:-10~+50℃,精度:±0.5℃


FBG伸縮計
測定範囲:±250 mm
精度:非直線性1%R.O.以下


FBG傾斜計
測定範囲:±5°
精度:非直線性1%R.O.以下


FBG水位計
測定範囲:0~10 m
精度:非直線性1%R.O.以下


(新規開発)今回実用化した計測器:FBG埋設型ひずみ計、FBG埋設型温度計

FBG埋設型ひずみ計
測定範囲:±1, 000 μ
精度:非直線性1%R.O.以下

FBG埋設型温度計
測定範囲:-30~+70℃
精度:1℃以内

今後の展開

 当社は、「防災のトビシマ」のスローガンの下に、安全で安心な社会づくりに貢献できるよう防災関連の技術開発に注力してきており、その一環として既設構造物変状や斜面変状監視などで防災・減災に関する様々な技術開発を進めています。その中で、FBG光ファイバセンシング技術は、電気式計測では困難な長期間にわたる構造物の健全性監視が可能な次世代計測技術として捉え、既設構造物に限らず新設構造物にも適用できる技術として市場展開に取組んでいます。市場展開としては、当社の現場では、ダム、トンネルや橋梁などで計測管理業務や安全監視に活用しています。また、特定の計測器メーカなどを窓口として、構造物の維持管理や防災監視を必要とする民間企業や公共機関にも展開しています。今後、さらに技術開発を進め、鉄道、道路施設などの長距離・広域構造物への適用や、※)TDM方式FBG光ファイバセンシング技術の特長を活かせる施設や構造物への適用範囲を広げるよう取組む予定です。

参考:FBG光ファイバセンシング技術

 現在、建設分野の計測では、ひずみゲージなどを利用する電気式計測器が一般的ですが、地下水等の浸入による絶縁不良や、落雷などの過電流により比較的短期間で計測器が使用不能となるケースが多く、長期で見ると計測器の交換など追加費用が発生し、結果的に計測監視に関わる費用が増大するなどの課題が認識されています。
 また、コンクリート構造物の維持管理では、健全性の経年劣化に応じた補修を実施しなければなりませんが、数十年にわたる構造物の供用期間を通して適切に健全性を把握するには、電気式計測器では頻繁に計測器交換が発生するため、その交換が少なく長期間の運用が可能な光ファイバセンサが適しています。(図-2参照)
 長期耐久性を特長とする光ファイバセンシング技術のうち、高精度に計測できる代表的な技術にFBG(Fiber Bragg Grating)方式があります。ただし、従来のFBG方式は1本の光ファイバ上に計測器を複数配置する多重化技術に限界があり、大規模構造物や広域での計測監視で計測箇所が多数となる場合、複数の計測システムが必要となり非効率になります。
 これに対し、当社の※)TDM方式FBG光ファイバセンシング技術は、複数断面の覆工ひずみ計測においても、1本の光ファイバで最大約100測点の計測が可能であり、1台の光測定器で広域の多点長期計測を実現しています。(図-3参照)

 
図-3)新設トンネル覆工での適用例

図-2)構造物の長期健全性監視における光ファイバセンシングの特徴    

※)TDM (Time Division Multiplexing,時間分割多重化)方式FBG(Fiber Bragg Grating)光ファイバセンシング技術は、ひずみや温度を反射光の波長変化として検知するセンサであるFBGを構造物や地盤等に多数直列に設置して、監視対象構造物の変状をリアルタイムに遠隔で計測する技術です。

技術・資料に関するお問合せ先

飛島建設株式会社 技術研究所 第一研究室 松元、田村、上明戸 TEL: 04-7198-7572

ニュースリリースに関するお問合せ先

社長室経営企画部広報G 担当:小島 TEL.03-5214-8212

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