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移動騒音源対応型工事騒音リアルタイム評価・対応システムを実用化(2009年10月15日)

移動騒音源対応型工事騒音リアルタイム評価・対応システムを実用化
-工事現場で移動する騒音源を識別する移動騒音源追尾型マルチチャンネルマイクロホンを考案・実用化-

飛島建設株式会社(社長:篠部正博)は、建設工事現場から発生する騒音を24時間連続で監視し、異常値を警告する独自技術の「工事騒音リアルタイム評価・対応システム」について、移動騒音源追尾型マルチチャンネルマイクロホン(以後、マルチチャンネルマイクロホン)を考案・解析手法を確立し、工事現場で稼働するダンプトラックやブルドーザ等の移動騒音源にも精度の良い監視ができるようにしました。

 これまでの、コンクリートプラントのように固定した騒音発生源を対象とした「多地点定位置型工事騒音リアルタイム評価・対応システム」に移動音源に対応する技術を加えることにより適用範囲を拡大し、現場条件に適した最適なシステムを選択できるように技術構成を充実させました。

  ■移動音源追尾モデル


■マルチチャンネルマイクロホン
■移動音源追尾監視画面イメージ(仮設図に音源をプロット)



工事騒音リアルタイム評価・対応システム(従来型)

 工事騒音リアルタイム評価・対応システムは、建設工事現場周辺の住宅地などの騒音監視地点(以後、監視地点)へ伝搬する工事騒音について、監視地点での騒音レベルが管理基準値を超えた場合、監視地点に影響する工事騒音の影響と暗騒音(自動車騒音・犬・鳥の鳴き声)の影響を自動的に判別し、工事騒音だけの影響をリアルタイムに評価する技術です。

 特徴は、監視地点の騒音レベルを記録・解析、影響レベルの検出を自動で行い、一般的な監視方法に比べ大幅な省力化、コストダウン(人件費)を図ると共に、管理基準値を超えた場合の警告により、迅速な騒音低減対策の実施を可能にしていることです。高いレベルでの工事騒音監視体制を要求される工事などで効果を発揮し、既にトンネル工事やダム工事などの建設工事現場で実績を積み重ねています。

 従来型システムは、騒音の監視エリアにある仮設プラントなどの定置の騒音源に最大7点、近隣住宅などの監視地点1点にマイクロホンを設置し、これらからの信号を有線でパソコンに取り込み、現場外の暗騒音を分離し現場から発生する騒音のみを評価します。

移動騒音源対応型・工事騒音リアルタイム評価・対応システムの概要

1)概要

従来型システムの機能を維持し、ダンプトラックやブルドーザなど移動する騒音源の監視も可能にしたものです。具体的には以下の特徴があります。

  • マルチチャンネルマイクロホンは音源場所を特定することができるので、監視地点を民家の近隣または現場内に設けることができ、当システム1セットのみで監視地点に対するコンプレッサーなどの定置の騒音源、およびダンプトラックやブルドーザなど移動する騒音源の常時連続監視が可能です。
  • マルチチャンネルマイクロホンを監視地点に設置し、監視地点近傍に設置したパソコンでデータ解析を行います。
  • 監視地点に設置したパソコンと現場事務所に設置したホストパソコンを光通信回線等で接続することで、現場事務所に居ながら騒音の発生状況をリアルタイムに確認できます。
  • 従来型システムは、現場内最大7点、近隣住宅などの監視地点1点のマイクロホンとパソコンを有線で接続していましたが、当システムは、監視地点に設置したマルチチャンネルマイクロホンのみで監視可能とし、さらに光通信回線等を利用することでシステム規模をダウンサイジングし導入時コストを軽減しました。

2)監視の流れ

  1. マルチチャンネルマイクロホンにより騒音源(定置・移動)位置を計算。
  2. 騒音源位置が現場内であれば、工事騒音の影響と判断、現場外であれば暗騒音の影響と判断。
  3. 現場内で発生した騒音データから、騒音評価量を計算。
  4. 異常発生時に警報出力、日報等の処理。

移動騒音源追尾型マルチチャンネルマイクロホン

 移動騒音源を追尾するには、騒音源の位置情報を解析する必要があります。既往の研究成果として、一対のマイクロホンに入射した音波から、騒音源の方向を計算する理論があります。当システムのマルチチャンネルマイクロホンは一対のマイクロホンを3組以上組み合わせることで、各マイクロホン対からの騒音源方向を計算し、その結果から騒音源方向の交点、すなわち、騒音源の位置情報を求めています。

 

 開発にあたり、マイクロホン配置と位置情報の計算方法を検討し、様々なタイプのマルチチャンネルマイクロホンを試作し解析精度の検証を行いました。その中から、実用性に優れた2軸型(水平面内の監視)、および3軸型(水平面と鉛直面の監視)を工事現場に導入し有効性を確認しました。


マルチチャンネルマイクロホン設置例(2軸型)

マルチチャンネルマイクロホン設置例(3軸型)

工事騒音リアルタイム評価・対応システムのバリエーション

表-1 工事騒音リアルタイム評価・対応システムのバージョンと特徴
技術名称・開発年度 特徴 展開先
タイプⅠ
工事騒音リアルタイム評価・対応システム
平成18年度開発
最大8箇所での工事騒音を自動計測、警報出力、日報処理機能を有する。主にトンネル工事やダム工事の仮設備騒音監視に適用できる。 トンネル3現場
ダム1現場
タイプⅡ
工事騒音リアルタイム評価・対応システム
平成19年度開発(NETIS登録申請中、特許出願済、
日本騒音制御工学会環境デザイン賞受賞)
タイプⅠに騒音源影響の自動解析、暗騒音の自動削除機能を付加した。主にトンネル工事やダム工事の仮設備騒音監視に適用できる。 トンネル5現場
タイプⅢ(移動騒音源対応型)
工事騒音リアルタイム評価・対応システム
平成20年度開発(特許出願中)
タイプⅡを移動騒音源に対応させた。トンネル工事やダム工事の仮設備騒音と併せ、ダンプトラックやブルドーザ等の移動騒音源の監視が可能となり土木造成工事等にも適用できる。 トンネル1現場

移動騒音源対応型・工事騒音リアルタイム評価・対応システムの適用実績、今後の展開

  1. 中国地方整備局:尾道・松江自動車道大万木トンネル工事にて実証実験
  2. 特願2009-176500「音あるいは振動発生箇所検出装置」

 これまでは、トンネル工事やダム工事を中心に展開を図ってきましたが、移動騒音源対応型・工事騒音リアルタイム評価・対応システムの開発により、都市土木工事や建築工事へも適用拡大を図る予定です。

問合せ先

ニュースリリースに関するお問合せ先

飛島建設株式会社 広報G 小島 秀二郎 Tel: 03-5214-8212

技術・資料に関するお問合せ先

飛島建設株式会社 技術研究所 第二研究室 小林 真人  Tel: 04-7198-7553

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