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耐震補強された仙台市役所本庁舎における地震観測(2009年11月4日)

耐震補強された仙台市役所本庁舎における地震観測
-トグル制震機構(増幅機構付き制震装置)の効果検証と地震防災意識の向上への取り組み-

 飛島建設株式会社(社長:篠部正博)は、仙台市(奥山恵美子市長)、株式会社山下設計東北支社(松田幹雄支社長)、東北工業大学阿部研究室(阿部良洋教授)と共同で、増幅機構付き制震装置(トグル制震機構)で耐震補強された仙台市役所本庁舎の地震観測を開始いたしました。

 仙台市役所本庁舎は、昭和40年に竣工した鉄骨鉄筋コンクリート造地上8階建の建築物で、新耐震設計法以前の耐震基準により設計されていることから、10年以内の発生確率が70%程度(2009年1月1日評価時点)と極めて高い宮城県沖地震やその他の地震から来庁者や職員の安全を確保する目的で、トグル制震機構を用いた耐震補強工事が行われ平成20年に完了しています。

 仙台市役所本庁舎1階ロビーで取り付けられたトグル制震装置の現物を見せるとともに、制震装置の説明並びに防災上の留意点を掲示することで、市民の地震防災意識の高揚と知識の普及をはかっております。また、仙台市役所本庁舎の地震時挙動の解明や、制震装置の効果検証等に活用するために地震計と震度表示用モニターを設置しています。


仙台市役所本庁舎

1階ロビーに配置された増幅機構付き制震装置
(トグル制震機構)と地震防災に関するパネル、
および震度表示用モニター

地震観測の主な目的

  • 防災情報ならびに震度情報の掲示による地震防災意識の啓発
  • 仙台市役所本庁舎の地震時挙動の評価
  • 耐震補強に用いた制震装置(増幅機構付き制震ブレース:トグル制震機構)の効果の検証

地震観測システムの概要

 地震計は地上1階と屋上階の2箇所に設置され、それぞれの地震計には加速度計が3基格納されており、3方向(梁間方向、桁行方向、上下方向)の揺れを2箇所同時に計測します。地震計の計測範囲は±2,000cm/s2で、直下型地震のような強い揺れに対しても十分な精度で計測することができます。また、遅延時間※も最大30秒確保することができ、震源が離れた場所の地震でも、地震動の始まりのP波初動部分から地震波形を計測することができます。

 二つの地震計はネットワークで接続され、地上1階ロビーに設置した制御用パソコンで制御します。パソコンおよび地震計はインターネットからのアクセスが可能で、観測データ回収や地震計の設定なども離れた場所から遠隔操作できます。観測記録から制御用パソコンで計測震度を計算し、表示用モニターに掲示します。

 地震観測システム稼働に必要な電力は仙台市庁舎のAC/GC電源(非常用電源)から供給され、停電時にはGC電源に自動で切り替わり、また、庁舎の定期点検等でAC/GC電源ともに供給できない場合も仮設電源から自動的に電源が供給されるよう、安定的な電源供給体制を構築しています。

遅延時間:地震計が起動条件を満足した時点では既に揺れは始まっているため、地震計は内部メモリーを用いて起動時点よりも前に遡って地震動を記録する。その遡及時間をしめす。


屋上階の地震計設置状況
(地震計カバーを外した状態)

地上1階の地震計設置状況
(地震計カバーを付けた状態)

地震観測記録の活用

 地震動が観測されると観測記録から仙台市役所本庁舎での計測震度を計算、1階ロビーに設置した震度表示用モニターに掲示して来庁者や職員に正しい地震の情報を伝達します。

また、観測された地震動記録により耐震補強工法の効果を数値的に明らかにし、耐震補強の有効性を確認し、旧耐震建築物に対する耐震補強の一層の推進に結びつけます。

一方、来庁者の地震防災意識向上に役立てようとする取り組みの一環で、仙台市周辺で発生する可能性のある地震情報や、仙台市役所本庁舎に施された耐震補強工法をわかりやすく説明したパネルをモニターのそばに併設しました。

問合せ先

ニュースリリースに関するお問合せ先

飛島建設株式会社 広報G 小島 秀二郎 Tel: 03-5214-8212

技術・資料に関するお問合せ先

飛島建設株式会社 技術研究所 第二研究室 池田 隆明  Tel: 04-7198-7553

【参考資料】システムフロー


図 地震観測システム

図 仙台市本庁舎耐震改修工事の説明パネル

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