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あらゆる計測器に対応できる「新WEBモニタリングシステム」を開発-(2010年8月24日)

あらゆる計測器に対応できる「新WEBモニタリングシステム」を開発
-開削土留現場に本格的に適用し、施工中におけるリアルタイムでの安全管理を実施-

 飛島建設株式会社(社長:篠部正博)は、あらゆる計測器に簡単に対応できる新WEBモニタリングシステムを開発しました。本システムを用いることにより、既存の光ファイバ式計測器に加え、電気式計測器や、今後開発される新しい計測器(以下、新規計測器)を含むあらゆる計測器を簡単に接続し、その計測データを取り込み、一元管理することができます(図1)。この新WEBモニタリングシステムを現在施工中の開削土留現場に本格的に適用し、新しく開発した光ファイバ式傾斜計を導入して現場の安全管理に活かしました。今後、新WEBモニタリングシステムを積極的に展開することにより、建設現場における計測管理や、維持管理分野での活用を図りたいと考えています。

図1 新WEBモニタリングシステムの構成
図1 新WEBモニタリングシステムの構成

概要

 建設分野では、現場での効率的な計測管理を行うことにより、現場施工の安全性を確保することが求められています。このような要求に対して、WEBモニタリングシステムは、現地に設置した計測器の計測データをインターネットを介した遠隔地のサーバーで一元管理し、WEB上からリアルタイムに監視サイトの状況を確認できる機能があります。

 従来、光ファイバ式計測器と電気式計測器を併用してモニタリングを行う場合、そのシステムは個別に構築し、個々のソフトウェアで管理していました。また、新規計測器を導入する際、システム内へ※)変換式を現場で追加する必要があり、非常に大きな労力がかかりました。

 今回、開発した新WEBモニタリングシステムでは、光ファイバ式計測器と電気式計測器の併用が容易にできるようになり、あらゆる計測器の計測データが一元管理できるようになりました。また、WEB上から変換式を任意設定できる機能を追加し、遠隔地からのサポートが行えるようになったことで、新規計測器の導入が簡単に行えるようになりました。

 このように、新WEBモニタリングシステムの開発により、災害が懸念される現場や施工中の現場における計測管理、構造物の維持管理に必要となる長期モニタリングを行う際に、システム構築時の負荷を大幅に軽減することができるようになりました。

「新WEBモニタリングシステム」の適用事例(静清浄化センター作業所)

 「新WEBモニタリングシステム」を現在施工中の開削土留現場に本格的に適用した事例として、写真1に示す静清浄化センター作業所(静岡県)の土留壁水平変位(最大掘削深度は12.3m)の計測管理事例を紹介します。

  • リアルタイムでの自動計測に用いた埋設型傾斜計は、新規開発した地下水の影響に対して耐久性が高い
    光ファイバ式傾斜計(以下、FBG傾斜計)を適用し、導入が簡単にできることを確かめました。
  • 手動計測断面において掘削段数毎に行う手動式傾斜計計測を補完するため、重点箇所にFBG傾斜計を設置し、リアルタイムでの自動計測を行いました。(図2)
  • 計測は平成21年6月から開始し、掘削が完了する平成22年2月まで行い、新WEBモニタリングシステムによるリアルタイムでの自動計測により、掘削に伴う土留壁の変位を効率的に監視できました。(図3)
  • 平成21年8月11日5時7分、駿河湾を震源とする地震(マグニチュード6.5)が発生し、現場から距離2kmの地震観測点で震度4を記録しました。このとき、当現場では、土留壁のG.L.-13m以浅において水平変位が生じたことを、地震直後に新WEBモニタリングシステムを通じて現場事務所と飛島建設技術研究所で確認することができました。(図4)
  • 地震発生後、数時間の間に土留壁の変位が拡大することはなく(図5)、地震当日の正午には土留壁近傍への立入りが可能と判断して、土留壁変位の手動計測、目視による現場点検、ならびにトランシットを用いた計測断面の土留頭部計測を実施し、現場全体での安全を確認しました。これらの計測においても異常な水平変位は確認されなかったことを受け、工事を速やかに再開することができました。

今後の展開

 今後、新WEBモニタリングシステムを積極的に展開することにより、建設現場における様々な計測管理に適用を進めていきます。
さらに、大規模構造物の長期モニタリングにも適用し、維持管理分野での活用を図りたいと考えています。

写真1 適用現場の様子
写真1 適用現場の様子
静清浄化センター作業所(静岡県)は、最大掘削深度12.3mの開削土留現場です。

図2 FBG傾斜計の計測概要
図2 FBG傾斜計の計測概要





図3 施工中の土留壁水平変位
図3 施工中の土留壁水平変位

FBG傾斜計の計測概要を示します。FBG傾斜計は、土留壁計測の重点箇所に設置し、リアルタイムでの自動計測を行いました。

新WEBモニタリングシステムにより、リアルタイムで自動計測した土留壁水平変位結果を示します。掘削開始から完了までの土留壁水平変位をリアルタイムに監視でき、現場の安全管理に役立てることができました。

図4 モニタリング画面に表示された駿河湾の地震による変位
図4 モニタリング画面に表示された駿河湾の地震による変位
図5 地震発生前後の各深度の水平変位
図5 地震発生前後の各深度の水平変位

駿河湾の地震発生直後に実際に表示された新WEBモニタリングシステム画面による水平変位量のグラフを示します。地震直後に現場事務所および技術研究所で地震発生時の土留壁水平変位の発生を確認できました。

地震発生前後の土留壁水平変位を示します。地震発生後、土留壁の水平変位は拡大していないことが確かめられました。

ニュースリリースに関するお問い合わせ

飛島建設株式会社 経営管理本部 総務部 広報室 松尾 和昌 TEL: 03-5214-8212

技術・資料に関するお問合せ先

飛島建設株式会社 技術研究所 第一研究室 上明戸 昇 TEL: 04-7198-7572

参考1:既開発「WEBモニタリングシステム」の概要

 現地に設置した光ファイバ計測器からの計測データをインターネットを介して、飛島建設技術研究所(千葉県野田市)内にある防災監視ルーム内のサーバで一元管理でき、WEB上からリアルタイムに監視サイトの状況が確認できます。この計測データおよび一次処理(定型の時系列グラフ作成)を行った内容は、インターネットを通じて表示でき、アラート情報のメール配信や監視業務報告書の作成などのサービス提供も可能です。また、本システムではクライアントにユーザーIDとパスワードを発行することで、直接WEB上でリアルタイムに監視サイトの変状を確認できるほか、任意の計測位置での時刻歴データの確認やプリンタへのグラフ・データ出力も可能です。

※変換式
 光ファイバ式計測において記録される反射波長、および電気式計測において記録される電圧から、 計測データの単位まで変換するための計算式です。

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