東北新幹線・八甲田トンネルで国内初の長大カーブ・ベルトコンベヤを実用化 2002.10.28
東北新幹線・八甲田トンネル(築木工区)で
国内初の1730mに及ぶ長大カーブ・ベルトコンベヤを実用化
自然環境保全と省力化に大いに貢献

当社と阿部鉄工所(代表者・阿部良博、愛媛県温泉郡川内町、TEL 089-966-4595)は、日本鉄道建設公団盛岡支社発注の東北新幹線・八甲田トンネル築木工区(飛島建設・大日本土木・株木建設・鹿内組JV)において、トンネル坑外のズリ(注)運搬作業の省力化と自然環境保全を目的とした延長1,730mに及ぶ長大カーブ・ベルトコンベヤ(U型トラフ・カーブコンベヤ)を共同開発し、実用化に成功しました。
(注)ズリ:トンネルの掘削によって発生する岩塊や土砂
カーブコンベヤ遠景   カーブコンベヤ近景
カーブコンベヤ遠景 カーブコンベヤ近景

●東北新幹線・八甲田トンネル築木工区の概要
発注者: 日本鉄道建設公団 盛岡支社
施工者: 飛島建設・大日本土木・株木建設・鹿内組
特定建設工事共同企業体
工事概要: 東北新幹線・八甲田トンネルは、全長26.455kmの長大山岳トンネルで、完成すると世界最長の陸上トンネルとなります。築木工区は、八甲田トンネル全6工区のうち、八戸方から数えて5番目の工区で総延長4.53kmを施工するものですが、現在は、延長2.44kmの他1工事を施工中です。
トンネル掘削 斜路L=947.8m、本坑L=2,443m(総延長4,530m)
掘削断面積 斜路A=28.5〜52.7m2、本坑A=80.0m2
掘削土量 V=231,000m3(総土量約400,000m3
トンネル施工法(NATM、トンネル・コンテナ工法)
斜路 全断面/機械掘削・発破工法併用
本坑 補助ベンチ付全断面/発破工法
工期: (他1工事)平成12年3月23日〜平成16年3月22日

●開発の背景
 トンネル工事においては、坑内で発生したズリを指定土捨場まで運搬する必要があります。一般に、坑外のズリ運搬にはダンプトラックが採用されています。
 当工区では、斜坑の坑口より約2km先の土捨場にズリを運搬する計画ですが、工事用道路は、幅4mの狭い林道を利用し、特に、冬期間は積雪3mにも及ぶ豪雪地帯であり、将来、覆工コンクリートの打設が始まり生コン車と競合した場合には、コンスタントなズリ処理が困難となることが予想されました。また、当該地域は、国有林内に位置し、山菜等が豊富に取れ、希少な猛禽類やカモシカ、熊、小動物が生息する静寂な自然豊かな土地です。以上のことから、自然環境に配慮し、安定的なズリ処理が可能となる長大カーブ・ベルトコンベヤを開発しました。

●開発したシステムの特徴
開発したカーブ・ベルトコンベヤのシステムの特徴は以下の通りです。
1. U型トラフの採用により、従来、同程度の規模におけるカーブの限界(最小曲率半径R=500m)を超える急カーブ(R=150〜300m)が可能になりました。
2. 急カーブが可能になったことで、コンベヤの乗継箇所を必要最小限に抑えることができます。当工区では、全長2km間に、S字状の平面線形(カーブ部)10箇所を有する最長1,730mのカーブ・ベルトコンベヤを採用しています。
3. S字状にカーブ部を配置することで、容易に蛇行が抑制できます。
4. カーブ部でも、幅広(ベルト幅1,200?)U字型断面構造のため、大きな岩塊(30〜40cm)の安定した運搬が可能です。
5. 中央管理室からの自動運転遠隔操作、ベルト縦裂け検知・停止、ベルト蛇行検知・停止、テレビカメラによる運搬状況の監視などが可能な中央監視遠隔制御システムを採用しています。
6. 全線覆蓋式を採用するなど、冬期間の豪雪に耐える構造になっています。

●開発の背景
平成14年9月までの4ヶ月の実証施工の結果、以下の効果が確認できました。
1. 従来のダンプトラックによる運搬と同等以上の1時間当たり150〜200tの運搬能力が 確保できました。
2. コンベヤ設備による周辺への騒音・振動および粉じん発生はほとんど無く、自然環境保全に絶大の効果を発揮しています。
3. ダンプトラック運搬量抑制により、二酸化炭素や大気汚染物質が大幅に削減されています。
4. 現場内の交通安全への波及効果も大きいものになっています。

●今後の展開
 当社は、今回の東北新幹線・八甲田トンネル築木工区での成果を踏まえ、今後、同様のトンネル工事をはじめ、類似の工事にも適用範囲を拡大する予定です。

戻る

 
飛島建設株式会社  ©1998-2008 TOBISHIMA CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.. プライバシーポリシーサイトマップEnglish