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鉄筋コンクリート(RC造)建物の「飛島式省エネ床下ピット」
 省エネ目的で地熱を利用する技術として、地中約10mを掘削してピットを作る深型ピット、庭など建物の周りに管やダクトを埋めるタイプなどがあり、一部の建物で採用されてはいますがコスト面で課題が残っていると言えます。RC造建物の浅型の床下ピットを利用することはコスト面では有利ですが、地中温度、臭気、地下部分の防水対策などがネックになり積極的に利用されず、省エネ効果の実証まで至っていませんでした。
 「飛島式省エネ床下ピット」は、建物の構造体自体を地熱の蓄熱体として考え、防水などの施工品質を確保することで問題を解決しました。このシステムを採用した当社施工物件では、下図に示しますように空気の通り道(全長約200m)が一筆書きになる様に床下ピットの各ブロックを人通孔※1で連結しました。ピット内は地中梁により36ブロックに分割されていますが、より多くのブロックを有効に活用できるよう配慮されています。(※1…人が点検のために入るための通り穴)
 
飛島式省エネ床下ピット 仕組図
 
飛島式省エネ床下ピット エアーフロー図

省エネ効果
 実測した建物は、RC造、2階建、施工床面積 約4,300m2です。設計上での建物内必要外気量は建物全体で約9,700m3/hですが、全体の約1/3に当たる管理部門に必要な3,020m3/hの外気を床下を通して室内に取り入れました。
 実測より、32℃の夏の外気を23℃まで冷やし、冬においては3℃の外気を14℃に暖めて安定的に室内に供給できる結果が得られ、深いピットでなくても十分に省エネ効果があることが立証できました。

【温度測定結果グラフ】
夏期 床下ピット温度測定結果
 
冬期 床下ピット温度測定結果
 
 下グラフは温度と湿度から導き出される空気が持っているエネルギー(エンタルピー)で浅型床下ピットの削減効果を表したものです。簡単に言い換えれば、外気取入口の温湿度と室内取入れ口の温湿度の差を数量化したものです。
●夏期の外気負荷実測(05/8/26-9/12) 最大42.5%、最小15.0%、平均33.2%削減
●冬期の外気負荷実測(06/3/5-3/10) 最大57.5%、最小36.2%、平均46.7%削減

【外気のエンタルピーの推移グラフ】
取入れ外気の床下ピットにおける
エンタルピーの推移(夏期)
 
取入れ外気の床下ピットにおける
エンタルピーの推移(冬期)
 
 この実測結果から夏季3ヶ月、冬季3ヶ月の運用における年間省エネルギー量は
9,600 kWh/年となり、 CO2削減量※2を計算すると4.2ton/年となります。

※2…CO2削減量は官報(H19.9.27)の東北電力0.441ton-CO2/千kWhの数値を用いて算出。
 
 今まで省エネ技術として積極的に活用できていなかった床下ピットを営業展開に活用できる道筋を創ったと言えます。今後は実測により得られた設計データの精度向上に向け、3次元熱流体解析及び立地条件の異なる建物での実測評価により設計精度向上に努めて参ります。

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