CIVIL ENGINEERING
BRIDGE

橋梁の技術

飛島の技術-土木のメインビジュアル

既設鉄道橋床版防水 リフレッシュ・シャワー工法

  高架橋に対する防水工は、本来、上面から施工すべきことは理解されているものの、供用中のバラスト道床鉄道橋で漏水が発生した場合、施工が困難であるため、床版下面から補修が行われてきました。しかしながら、下面防水は、上部からの浸水は許したまま、その排水が困難となることから、コンクリートの含水率を高め、繰り返し荷重による疲労劣化の促進や凍害の助長等、構造物の耐久性に悪影響を及ぼす可能性があります。
  本工法は、床版上面から行う漏水補修工であり、バラストを除去することなく、軌道上から含浸防水剤を散布するだけで床版防水を施す、極めて合理的な工法です。コンクリート構造物の延命化を図るとともに、高架下利用者からの苦情や雨樋設置による応急対策等、漏水に起因する維持管理の負荷を大幅に軽減します。

含浸防水剤とは

  • 珪酸ナトリウムを主成分とし、これに触媒性薬剤を含んだ水溶液もしくは顆粒状の防水剤です。
  • 床版に到達した含浸防水剤は、水分移動に伴ってコンクリート内部まで浸透し、コンクリート内部に防水層を形成します。
  • 含浸防水材は、コンクリート内部に存在するカルシウム成分にのみ反応するため、バラストの機能を阻害する心配はありません。
  • 砕石に付着残留した含浸防水剤は、後の降雨により床版へ再散布され、コンクリートのひび割れ部に効率的に供給されます。
  • 有害物質等の溶出の心配はありません。

施工手順

リフレッシュ・シャワー工法の施工手順 イメージ
  1. 散水(バラストに防水剤が吸着されないための前処理)
  2. 含浸防水剤の散布
  3. 散水(バラストに付着した含浸防水材を流下させる)
    ※顆粒タイプの場合、1、3の工程は不要です。

施工事例

事例①

漏水箇所高欄と床版の打継ぎ部
供用開始昭和7年
防水材料水溶液タイプ
効果発現施工後約3週間

加振変形試験の写真

施工前

U型充填試験の写真

施工後

事例②

漏水箇所床版コンクリート打継ぎ部
供用開始昭和44年
防水材料水溶液タイプ、顆粒タイプ
効果発現施工後約1週間

加振変形試験の写真

施工前

U型充填試験の写真

施工後

事例③

漏水箇所床版コンクリートひび割れ部
供用開始平成14年
防水材料水溶液タイプ
効果発現施工後約2週間

加振変形試験の写真

施工前

U型充填試験の写真

施工後