42 乘京社長の人柄もあってか、社外役員の発言も自由に行えるなど、取締役会は非常に良い雰囲気の中で運営されていることを、まずは率直な感想として申し上げたいと思います。情報提供も過不足なくタイミング良く行われています。また、社外役員からの要望に応え、会社が各地で進めている事業の現場視察をアレンジしてくれていることで、非常に理解が深まっています。 外部視点から見た当社の課題の1つとして、人材面が挙げられます。当期の「従業員満足度調査」の結果を真摯に踏まえ、当社には、社員の健康と生活を守り、社員の士気を向上させるために何をすべきかを、短期的・中長期的に取組んでもらうことを望みます。 また併せて強調したいのは、組織が成長する上で重要なのは「成功の教訓」よりも「失敗の教訓」であるという点です。当社が過去に取組んだ事業の失敗例や、現在取組み中の事業の難しい点は何かについて、社外役員たちへ率直に共有していただくことで、自身の経験に基づく適切な助言をもっと行っていきたいと考えています。 取締役会の議題に関する事前・事後の質問や確認に対して真摯に対応いただくなど、私自身の会議体への積極的な貢献を早期に可能とする体制にあると評価しています。土木・建築現場の視察や支店長会議への参加、経営会議の内容共有といった機会も提供され、取締役会の質向上及びガバナンス体制向上に対する努力は、しっかりなされていると感じています。 当社のSX経営推進において、短期的には、中期5ヵ年計画の仕上げに向けた取組み、長期的には、コスト増加を示唆するような過去数十年とは違ったマクロ経済環境下での、収益率改善に向けた取組みが求められています。 こうした環境変化を現経営層は認識していますが、それが現場に至るまで浸透し、会社全体で変化に適応していく流れができるかが重要であり、その点について取締役会では特に関心をもって見ていきたいと考えます。また短期的にも長期的にも、人材確保は当社にとって極めて重要な課題だと認識しており、D&Iなど執行部の取組みについても確認していく所存です。社外取締役…齋木 昭隆社外取締役…政井 貴子「失敗例」などを社外役員においても共有することで、それぞれの経験に基づく適切な助言を更に行っていけるだろうと考えています。会議体への積極的な貢献を可能とする様々なサポートなど、取締役会の質向上に対する取組みがしっかりなされていると評価しています。
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