飛島建設統合報告書2022
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●……当社では、全社横断的なメンバーにより組織された「TCFDワーキンググループ」において気候変動が当社へ与えうる財務的影響について分析を実施しました。●……今後の脱炭素社会への「移行」において影響が想定される項目と、平均気温の上昇により気象災害等が激甚化する等の「物理」的変化において影響が想定される項目を特定し、それぞれの項目における財務的影響をリスク・機会に分け検証を行いました。31※TCFD(Task…Force…on…Climate-related…Financial…Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース) G20の要請を受け、金融安定理事会により気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するため2015年に設立された枠組み。指示報告監督報告指示報告内部統制委員会指導・支援報告・提言低炭素社会への移行に伴う財務への影響が2030年時点で顕在化すると想定気象災害等激甚化による財務への影響はまだ限定的と想定【「移行」シナリオにおけるリスク・機会の分析】4℃シナリオ:IEAによるStated…Policy…Scenario(STEPS)2℃シナリオ:IEAによるSustainable…Development…Scenario(SDS)【「物理」シナリオにおけるリスク・機会の分析】4℃シナリオ:IPCCによるRCP8.52℃シナリオ:IPCCによるRCP2.62050年低炭素社会への移行が進んでいる段階であり2030年との比較では更なる財務への影響は限定的と想定気象災害等激甚化による財務への影響が2050年頃に大きくなると想定「移行」「物理」に関するリスク・機会の検討にあたり採用した主要シナリオ2030年今世紀末産業革命前と比べて気温上昇2℃未満産業革命前と比べて気温上昇4℃程度 当社ではトビシマSXに向けた取組みの一環としてESGやSDGsに配慮した経営による「社会のサステナビリティ」を推進することで企業価値の向上を目指しており、気候関連情報の開示が不可欠と考え、気候関連財務情報開示タスクフォース(以下TCFD※)の提言に賛同いたしました。 今後はTCFDが提言する情報開示のフレームワーク(ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標)に沿った気候関連の情報を開示してまいります。TCFD開示項目におけるシナリオ分析の結果を基に当社における気候変動のリスクと機会を把握し、脱炭素社会への移行に向けたガバナンスや事業領域の更なる強化を目指します。 当社では、気候変動リスクを含む経営または事業活動に重大な影響を与える可能性がある事項について、課題の整理、施策の立案、展開、進捗管理を行う「リスクマネジメント委員会」を設置しており、当委員会での検討内容は、社長を委員長とする内部統制委員会を通じ、取締役会へ報告(4回/年)されます。「移行」シナリオにおけるリスク・機会今世紀末までの気温上昇を2℃未満に抑えることを目的に、脱炭素社会への「移行」に向けた大胆な政策・技術革新が進むシナリオにおけるリスク・機会を想定「物理」シナリオにおけるリスク・機会大気中の温室効果ガス濃度の増加等により今世紀末までの気温が4℃程度上昇し、気象災害等が激甚化するシナリオにおけるリスク・機会を想定リスクマネジメント委員会執行役員取締役会経営会議コンプライアンス委員会各事業部門・グループ会社情報化協議会サステナビリティガバナンス 気候関連のリスク及び機会に係る組織のガバナンス戦略 気候関連のリスク及び機会がもたらす組織のビジネス・戦略・財務計画への実際の及び潜在的な影響TCFD提言に基づく気候関連情報の開示

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