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橋梁・海洋リニューアル

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Hydro-Jet RD工法

合成桁橋のRC床版取替における急速撤去技術
従来の合成桁橋の床版取替は長期の通行止め期間を必要とし、鋼桁とコンクリート床版の接合部(以下、接合部)の除去に手間取ることが撤去技術の課題でありました。そこで、その接合部の除去作業を、通行規制を行わずに通行止め開始日までの準備期間に行えるHydro-Jet RD 工法(Hydro-Jet demolition technique for Replacing the decks)を開発しました。通行止め開始後における接合部の除去作業を不要とし、1回の床版撤去範囲を鋼桁位置に関わらず大きく設定することで、床版撤去期間とこれに伴う交通規制期間を短縮できます。
本工法は、阪神高速道路株式会社が募集するコミュニケーション型共同研究に、飛島建設株式会社と第一カッター興業株式会社が応募し、3社共同で開発した技術です。

説明図 イメージ

技術の特徴

  1. 1

    接合部のコンクリートをウォータージェットにて除去し、床版と鋼桁に損傷を与えずに分離して、スタッドを露出させる技術。

  2. 2

    露出したスタッドと鋼桁を仮補強することで合成桁の機能低下を抑制し、接合部除去作業中の車両通行を可能とする技術。

  3. 3

    吊り足場上でウォータージェット施工を可能とする防水・防音技術、及び漏水を検知する技術。

  4. 4

    仮補強した合成桁の安全性と通行車両の安全性を、光ファイバ-センサを用いた計測技術によってモニタリングする技術。

  5. 5

    床版撤去開始後、スタッドを迅速に切断し、鋼桁に熱を与えずに床版と鋼桁を分離する技術。

従来工法との比較

 鋼桁上のスタッドを全延長に渡って露出させるため、通行止め後はスタッドを切断するだけで速やかに床版を撤去できます。また鋼桁位置に関係なく床版を切断できるため、撤去するブロック数が少なくなります。以上によって、合成桁橋の床版撤去に伴う通行止め期間を従来の 1/2以下、床版のブロック撤去に掛かる工程に限っては 1/3 に短縮できます。

 径間長 20m、2 主桁、1 径間の床版撤去における積算検討では、桁上コンクリートを後から手はつりする従来工法での通行止めは 18 日ですが、本工法では 9 日に短縮できます。

 阪神高速道路での施工では、径間長 22m、2 主桁、3 径間の床版撤去を 20 日間(昼間施工のみ、1 径間当り 7 日間)で完了しています。床版ブロック撤去は1径間を1日(積算想定では3日)で撤去を完了できています。

説明図 イメージ

径間長20m、2主桁、1径間の床版撤去における工程の比較表

主な適用範囲

  • 合成桁橋の床版架替工事における床版撤去(ずれ止め形式は頭付きスタッドに限る)。

主な実績

  • 鋼桁とRC床版のずれ止め切断に関する研究(その1)、平成27年度、阪神高速道路株式会社
  • 鋼桁とRC床版のずれ止め切断に関する研究(その2)、平成29年度、阪神高速道路株式会社

外部団体からの表彰・外部団体への登録状況

  • 2018年度 土木学会関西支部技術賞
  • 平成30年度 全建賞
  • 第21回国土技術開発賞 優秀賞
  • 土木建設技術発表会2019「セッションⅢ 橋梁、コンクリート部門」最優秀賞

施工手順

説明図 イメージ
  • 日経コンストラクション2018年10月8日号 新工法で通行止め期間を半減
  • 橋梁と基礎2019年2月号 阪神高速道路15号堺線玉出入路床版取替え工事への新技術の適用
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関連資料
  • 平成30年度土木学会全国大会 第73回年次学術講演会Ⅵ-328 合成桁橋のRC床版取替におけるウォータージェットを用いた急速撤去技術の開発(その1:概要と構造検討)
  • 平成30年度土木学会全国大会 第73回年次学術講演会Ⅵ-329 合成桁橋のRC床版取替におけるウォータージェットを用いた急速撤去技術の開発(その2:施工技術の開発と試験施工)
  • Design and Construction of UHPFRC Deck for Replacement of Deteriorated Concrete Slab,40th IABSE Symposium
  • 飛島建設ニュースリリース:RC床版更新事業におけるウォータジェット活用による新工法、Hydro-Jet RD工法の開発
関連技術
 
関連論文