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施工技術

飛島の技術-建築のメインビジュアル

PRS目地充填工法(鉄筋挿入型ひび割れ制御工法-増打ちなし工法)

技術概要

 PRS壁目地充填工法は、珪砂とファイバー樹脂を混合して製造した材料(ポーラスレジンサンド、Porous Resin Sand、以下PRSと称す)をコンクリート表面に設けた目地内に充填することで、目地形状の変形によって目地内部に生じる圧縮力や引張力を、PRSの持つポーラス機構(空隙)が吸収する工法です。とくに引張時においては、ひび割れそのものが分散するため、日々の目地幅が増減するなどの繰り返し挙動に伴い発生するPRS内部および表面のひび割れ幅を一定値以下に制御することができます。これらの特徴により、この躯体表面に直貼りクロスや塗装等の仕上げを施した後も、仕上げ面の亀裂を防止することができます。
本工法は、(一財)日本建築総合試験所の建設材料技術性能証明「GBRC材料証明第22-01号」を取得しています。

PRS(ポーラスレジンサンド) イメージ

PRS(ポーラスレジンサンド)

目地充填材の性能比較イメージ

目地充填材の性能比較

ひび割れの分散状況 イメージ

ひび割れの分散状況

施工完了 イメージ

施工完了

技術の特徴

  1. 1

    ひび割れ分散

    • 目地材のひび割れ分散性により、1本のひび割れ幅を小さくし、直貼りクロス仕上げ面に亀裂、しわ、窪みの発生を防止します。
  2. 2

    使用材料のプレパック化

    • 使用材料がすべてプレパック材のため、施工時の材料計量が不要となり、使用材料の混合作業が容易、かつ正確に実施が可能です。
  3. 3

    CCB工法との併用

    • 目地内に収縮ひび割れ(写真2)を誘導する鉄筋挿入型ひび割れ制御工法(CCB工法)と併用することによって、より確実に直貼りクロス仕上げ面の変状を防止します。

従来工法との比較、長所

  • 目地充填材にモルタルを採用した場合は、コンクリートとモルタルの接着界面に亀裂が生じ、仕上げ表面にその亀裂が露見します。一方、伸縮性を重視してシーリングを充填した場合は、体積減少によって躯体表面より凹みが進行してクロス表面にしわが寄ることや、指で押さえると窪む等の事象が発生します。
  • 本工法を適用することで、仕上げ表面への亀裂、体積減少による表面仕上げのしわ、窪みを防止することができます。
  • 技術性能で証明された性能は以下の通りです。
    (1)コンクリートとの接着性
     PRSとコンクリートの接着力(直接引張試験)は1N/mm2以上
    (2)目地露出面の陥没抵抗性
     PRSの目地露出面の窪み変形は0.1mm以下
    (3)ひび割れ分散性
     PRSは目地幅の変化が0.4mmまではひび割れ分散性を有します

主な適用範囲

    適用部位

  • コンクリート構造物、または部材コンクリート面の目地
     ※内装制限が適用される壁又は天井部分に目地が露出する場合で、室内に面する目地部分の見付面積は、各面の面積の1/10以内に限られます(ただし、床面より1.2m以上)。

    使用材料

  • PRS樹脂 :エポキシ系樹脂コンクリート【主剤(繊維入り):硬化剤=3:1】
  • プライマー :エポキシ系樹脂【主剤:硬化剤=2:1】
  • 珪砂 :リバースサンドNo.5(1000℃で焼成済)

※珪砂・主剤・硬化剤はプレパック済(AOIトーマス㈱製)

外部団体からの表彰・外部団体への登録状況

  • 建築技術性能証明:CCB-NAC工法(財)日本建築総合試験所 GBRC性能証明 第22-01号

施工手順

材料混合状況 イメージ

材料混合状況

材料混合状況 イメージ

目地充填状況

事業主・設計監理・施工者の範囲

  • 事業主・設計監理者は、工法協会に入会(賛助会員)することで使用許諾が与えられます。施工者は、使用会社14社(淺沼組、熊谷組、西松建設、NIPPO、飛島建設、大日本土木、長谷工コーポレーション、 東急建設、五洋建設 、三井住友建設、共立建設、青木あすなろ建設、松井建設、奥村組土木興業)に限ります。ただし、工法協会に入会し、PRS工法研究会(正・限定会員)に所属することで使用許諾が与えられます。
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関連資料
  • ニュースリリース 2022年9月 PRSの建設材料技術証明を取得
関連技術
 
関連論文
 
関連特許
No.7025196 建物の目地および充填工法

※本工法は、CCB工法協会が技術の向上および健全なる発展のため、研究開発から普及活動、施工に関する助言まで行っています。当社は、2012年4月の発足から参画しており、協会メンバーの一員として技術支援を行っています。