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BIMモデルを活用した体験型施工管理教育システム『現場トレーナー』を開発

2023年度よりサブスクリプションによるサービスの開始を発表

 飛島建設株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:乘京正弘)は、他の8企業と共同で、総合建設業(以下「ゼネコン」)の若年社員向けに、BIMモデルを活用したバーチャル建設現場内で施工管理の様々なノウハウを学習する『現場トレーナー』を開発し、2023年度よりサービスを開始することを発表いたします。

 若手社員への現場教育は、テキストや動画を利用した知識教育だけでは、現場における各種の「気づくちから」を十分に学ぶことが難しい側面があります。実際の施工中の現場を利用した従来の現場教育では、現場訪問の段階で「現場経験によって得られる気づくちから」を習得させることが困難でした。また、訪問するための日程をはじめとした各種の調整が必要であり、教育するための環境づくりに労力を割く必要があります。

 現場における「気づくちから」を短期間で経験させるために、バーチャル建設現場を利用することで現場学習がどこでも可能な『現場トレーナー』の開発が始まりました。2017年より淺沼組でプロトタイプの開発が開始され、その後、ゼネコン8社によるプロトタイプ・バージョン2の開発と実証実験を経て、2022年4月より現在の9社による本格的なシステム開発が始まりました。2023年5月よりパソコン版およびiPad版を順次リリースする予定となっています。

 『現場トレーナー』は、短期間で多くの現場を経験させることで、テキストや動画を利用した知識教育だけでは十分とは言えない現場における各種の「気づくちから」を習得させる教育システムです。故意に問題点を作りこんだバーチャル建設現場(図1)において施工管理を体験させることにより、様々な用途の現場で起こり得る事故や不具合に対し、未然に気づく経験を与えることを目的としています。

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図1:RC造バーチャル現場ステージ
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図2:イベントの発生
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図3:イベント採点・解説

 『現場トレーナー』には、バーチャル現場内に設けられた各種の問題点や注意すべき点などのイベントを、ゼネコン社員として発見し解決しながら学習していくステージ(図2)と、クイズのように連続してテキストや画像問題が出題されるステージ(図4)があり、それぞれの解答に対して「ゼネコン社員としてその状況で取るべき対応」についての解説や資料が提示(図3/図5)されます。これにより、「どういう状況の場合は、安全や品質の問題に発展するのか」や、「このような状況の場合は、どのように行動すべきか」など、実際に現場である程度の経験を積まないと取得できない知識や経験(気づくちから)を養う事を可能とします。

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図4:ドリルの発生
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図5:ドリル採点・解説

 また、各社の教育担当者による受講者の学習進捗状況のチェック、進捗が遅れている受講者に実施を促すメール送信、ユーザーや受講するコンテンツ登録を行う機能などのユーザー管理機能(図6~図8)も備えており、全ての機能はVR(バーチャルリアリティ)で使用するようなパワフルなパソコンを必要としません。

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図6:管理者メニュー
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図7:受講者設定
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図8:学習進捗管理
Windows版 iOS版
・Windows10 および Windows11
・CPU:Intel Core™ i5同等以上
・メモリ:16GB搭載(推奨)
・グラフィックス:オンボードグラフィックス以上
・iOS15 および iOS16
・機種:iPad Air 第4/5世代
    iPad 第10世代
    iPad mini 第6世代

 本システムは、開発したゼネコン8社以外にもサブスクリプション契約によってサービスの提供を行い、毎年度のアップデートや新しい現場コンテンツの追加に加え、希望する顧客向けの特別な教育コンテンツの開発や提供なども可能となっています。また、建設業向けだけではなく製造業などの他業種向けの教育や、教育に限らず様々なコンテンツも開発可能となります。
 なお、サブスクリプションサービスの提供とサポートの窓口は、コンピュータシステム研究所内の事務局に設置されます。

飛島建設株式会社 企画本部 広報室
TEL 03-6455-8312