NEWS RELEASE
ニュースリリース
本リリースで取り上げる地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
飛島建設株式会社(社長:築地 功)は、液状化対策と地中への炭素貯蔵を同時に実現する「丸太打設液状化対策&カーボンストック(LP-LiC)工法」の対策効果を、地震後の現地調査により確認しました。
2026年7月28日に発生した令和8年熊本地震、2025年12月8日に青森県東方沖で発生した地震および2026年6月25日に岩手県沖で発生した地震では、液状化が発生し様々な施設が被害を受けました。これらの地震により震度6弱の強い揺れを観測した熊本県熊本市および青森県八戸市における地震後の現地調査において、LP-LiC工法を施工した範囲では液状化被害が確認されず、本工法が施設機能の維持と地震後の速やかな事業継続に有効であることを確認しました。
2026年7月28日の令和8年熊本地震後の状況(熊本県熊本市) |
![]() 2025年12月8日に青森県東方沖で発生した地震後の状況 (青森県八戸市) |
![]() 2026年6月25日に岩手県沖で発生した地震後の状況 (青森県八戸市) |
強い揺れを観測した地震後のLP-LiC施工地点の状況
LP-LiC工法は、液状化が発生しやすい緩い砂地盤に丸太を打設し、丸太の体積分だけ地盤を密実化することで、液状化の発生自体を抑制する工法です。木材は、地中の地下水位以深の酸素が十分にない環境では、腐朽や蟻害などの生物劣化が生じません。このため、高い地下水位を有する液状化しやすい地盤では、丸太は長期間に渡り健全性を維持することができます。
また、丸太の中には、樹木が成長過程で大気中から吸収した二酸化炭素が、炭素として固定されています。この炭素は、丸太が燃焼または生物劣化しない限り固定され続けます。そのため、丸太を液状化対策の材料として活用することで、炭素を地中に長期間貯蔵することが可能です。
このように、LP-LiC工法は液状化対策による防災・減災と、地中への炭素貯蔵による気候変動緩和を同時に実現することが可能な技術です。
![]() LP-LiC工法の概要 |
LP-LiC工法の施工状況 |
発生日時:2026年7月28日16時27分頃
マグニチュード:7.1
震源深さ:10km
最大震度:7
施工場所:熊本県熊本市
液状化対策の対象:駐車場
施工時期:2017年
改良深度:5.0m(丸太頭部深度GL-2.0m、丸太長さ3.0m)
改良率:1.8%(丸太直径0.15m、打設間隔1.00m)
炭素貯蔵量(二酸化炭素換算):43 t-CO2
調査日:2026年7月31日
施工地点の震度:震度6弱(気象庁の推計震度分布図による)
確認事例3のLP-LiC工法を施工した範囲では、本工法の施工前に発生した平成28年熊本地震の際に、液状化による地盤沈下や噴砂が確認されていました。今回の調査では、本工法を施工した範囲で液状化による地盤沈下や噴砂は認められませんでした。
その結果、駐車場の機能は維持され、地震後も速やかに継続して利用できることを確認しました。
LP-LiC工法を施工した範囲の地震後の状況 |
(参考)施工地点周辺の地震後の状況
LP-LiC工法の施工地点から約500m離れた地点では、液状化による噴砂が確認されました。
液状化により生じた噴砂 |
発生日時:2025年12月8日23時15分頃
マグニチュード:7.5
震源深さ:54km
最大震度:6強
施工場所:青森県八戸市
液状化対策の対象:漁港岸壁の背後地盤
施工時期:2015年
改良深度:8.1m(丸太頭部深度GL-1.1m、丸太長さ4.0m+3.0m)
改良率:5.8%(丸太直径0.15m、打設間隔0.55m)
炭素貯蔵量(二酸化炭素換算):210 t-CO2
調査日:2025年12月9~10日
施工地点の震度:震度6弱(気象庁の推計震度分布図による)
LP-LiC工法を施工した範囲では、岸壁のせり出しや目地の開きなどの変状、液状化による噴砂は認められませんでした。
その結果、漁港機能は維持され、地震後も速やかに事業を継続できることを確認しました。
![]() LP-LiC工法を施工した範囲の地震後の状況 |
![]() LP-LiC工法を施工した範囲と岸壁の地震後の状況 |
(参考)施工地点周辺の地震後の状況
LP-LiC工法の施工地点から約50m離れた地点では液状化により生じた噴砂が確認されました。
また、約200m離れた地点では地盤沈下に伴う段差が確認されました。
液状化により生じた噴砂 |
地盤沈下により生じた段差 |
発生日時:2026年6月25日7時30分頃
マグニチュード:7.2
震源深さ:44km
最大震度:6強
確認事例1と同じ地点のため省略
調査日:2026年6月26日
施工地点の震度:震度6弱(気象庁の推計震度分布図による)
LP-LiC工法を施工した範囲では、2025年12月8日に青森県東方沖で発生した地震後の調査時と同様に、岸壁のせり出しや目地の開きなどの変状、噴砂は認められませんでした。
このため、2025年12月8日に青森県東方沖で発生した地震後と同様に、漁港機能は維持され、地震後も速やかに事業を継続できることを確認しました。
![]() LP-LiC工法を施工した範囲の地震後の状況 |
![]() LP-LiC工法を施工した範囲と岸壁の地震後の状況 |
(参考)施工地点周辺の地震後の状況
LP-LiC工法の施工地点から約50m離れた地点(2025年12月8日に青森県東方沖で発生した地震で液状化による噴砂が確認された地点)では、
再び液状化による噴砂が確認されました。
また、約150m離れた地点では、液状化による地盤沈下・陥没や噴砂が確認されました。
液状化により生じた噴砂 |
岸壁背後地盤に生じた陥没 |
防災・減災と気候変動緩和への対応は、建設業に求められる重要な社会的使命です。本技術は、液状化対策による防災・減災と、木材を活用した地中への炭素貯蔵による気候変動緩和を同時に実現する技術であり、飛島ホールディングスの成長戦略の一つである「インフラアンチエイジング事業」を推進する取り組みの一つです。
当社は本技術の更なる発展と普及を通じて、「防災のトビシマ」として、頻発する大地震による被害の低減を図り、人々の生命と暮らしを守るとともに、「2050年カーボンニュートラル」社会、さらにはその先の「カーボンネガティブ」社会の実現への貢献に向けた取り組みを継続してまいります。
飛島ホールディングス株式会社 コーポレート・コミュニケーション部 (飛島建設 広報担当)
TEL: 03-6455-8312
飛島建設株式会社 技術開発部 村田 拓海
TEL: 04-7198-1101