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AIを活用した生コンクリート打設時間の自動記録システムを開発

記録業務の省力化・リアルタイムでの進捗把握・遠隔管理による現場負担軽減を同時に実現

 飛島建設株式会社(代表取締役社長:築地 功、以下「飛島建設」)は、株式会社アクシスウェア(代表取締役:西内 克至、以下「アクシスウェア」)と共同で、建設現場における生コンクリートの打設時間をAIで自動的に記録・管理するシステムを開発しました。
 本システムは、映像と音声を用いた“マルチモーダルAI”(※1)の活用により、記録業務の自動化や打設進捗状況の遠隔管理化によって確認管理者の負担を軽減し、効率的な現場運営を実現します。

 ※1 マルチモーダルAIとは:テキスト、画像、音声など、複数の異なる種類のデータを組み合わせて処理し、理解する人工知能のことです。これにより、より複雑な認識や判断が可能になります。

 生コンクリートは、品質を確保するために工場出荷から打設完了までの有効時間が厳格に定められています。そのため正確な時間管理や打設量に応じた配車や打設箇所の管理などの進捗管理が重要となります。
 従来の運用では担当者が現場を何度も往復して状況を確認する必要があり、記録要員を追加で配置するなど、人員負担の面で課題がありました。
 こうした課題を解決するため、飛島建設とアクシスウェアはAI技術を用いて打設時間を自動で記録し、進捗を把握できるシステムを開発しました。

 本システムは、ミキサー車の運行を後方から確認できる場所にウェアラブルカメラを設置するだけで、打設状況をリアルタイムで撮影可能であり、取得した映像・音声をクラウド上でAIが自動解析することで打設時間の自動記録と進捗状況の可視化を実現します。
 シンプルな仕組みで導入しやすく、現場の管理作業を大幅に効率化できる点が特徴です。

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図1 システムの概要

●ウェアラブルカメラの採用
 ミキサー車後方を撮影可能な位置に設置するだけで利用可能、取り扱いが容易で外部電源を必要としない。
●モバイル通信によるデータ送信
 モバイル通信の可能なエリアであればリアルタイムでデータをクラウドへ送信可能。
●クラウド基盤による遠隔アクセス
 セキュアなクラウド環境を利用することで、離れた場所からでも安全に状況確認・管理が行える。

●ナンバープレート認識による車両個別管理
 各ミキサー車を識別し、車両ごとの打設記録を自動で管理。
●映像・音声を組み合わせたマルチモーダルAI
 ミキサーの高速回転音および映像解析を組み合わせることで、打設開始・終了時間を高精度に判定。
●打設計画との進捗比較
 実績と計画との差分をリアルタイムで確認でき、打設計画と出荷計画の最適化が可能。
●帳票出力機能(Excel)
 収集した打設記録をExcel形式で出力でき、帳票作成の手間を大幅に削減。
●AI処理の透明性
 判断根拠となる映像・音声情報を確認でき、AI判定の信頼性と説明性を確保。

 本システムでは、生コンクリート打設時にAIが自動でミキサー車を検出し、取得した映像や音から打設の開始や終了のタイミングを自動判定することで、人的な負担を伴わずに正確な打設記録を行う事が可能です。(「作業時間管理システム」として特許出願中※)

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図2 AIによる自動打設記録処理
※特願2024-053595(出願人 飛島建設株式会社、株式会社アクシスウェア)

① カメラ映像によるリアルタイム検出開始
② AIが映像から1台目のミキサー車を自動検出
 映像ステータスの変化や、打込み前のミキサー車の高速回転音の変化をAIが検知し(画像1:ミキサー車AI判定)、打込み開始時刻を自動で記録。以降も映像・音声情報をもとにステータスを判定し、自動更新を実施(画像2:打込記録表参照)
③ 2台目のミキサー車を検出
 2台目のミキサー車が検出された場合、1台目が「打込中」であれば、2台目は自動的にステータスを「待機中」へ変更
④ 1台目の退出によるステータス更新
 1台目のミキサー車が検出範囲外に移動したタイミングでAIが打設終了と判定、打込終了時刻を記録、ステータスを「完了」に変更すると共に、2台目のステータスを「打込中」へ変更し、変更したタイミングを開始時刻として自動記録

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 このシステムでは、AIが自動で記録したデータをリアルタイムで画面に表示することで、遠隔地においてもPCやスマートフォンを用いた進捗確認が可能となります。

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画像3 打込進捗確認グラフ

 また事前に打設計画を入力することで、計画通りに作業が進行しているかリアルタイムに確認することができ、現場の打設管理を強力にサポートします。これにより、より適切で効率的な現場の打設管理を実現します。

 「it-Concrete」(NETIS登録番号:KT-200152-VE)は、生コンクリートの出荷、輸送、打設に関する情報を一元的に管理できるシステムとして、多くの建設現場で活用されています。
 従来の運用では、荷卸開始・終了時刻を現場にて手動で入力する必要がありましたが、本システムと連携させることで、本システムにて取得した打込開始・終了時刻を「it-Concrete」に自動的に記録することが可能となりました。
 これにより、「it-Concrete」の記録要員の作業工数削減と誤入力防止が実現され、現場業務の省力化と品質向上が実現できます。

 当システムの開発によって、人の介在を必要としない生コンクリート打設の進捗管理が実現しました。既に、本システムの主要機能およびit-Concrete連携機能の双方で、建設現場での安定稼働を確認しております。
 今後は打設量が多く、打設管理業務の効率化が求められる建設現場での利用を積極的に推進するとともに、「it-Concrete」をご利用中の建設現場での運用を順次拡大していくことで、打設管理のさらなる効率化を目指します。さらに、自社内での活用に留まらず、本システムの導入をご検討される企業様への提供も積極的に展開してまいります。
 この取り組みを通じて、「i-Construction 2.0」が掲げる施工管理のオートメーション化に貢献し、現場の省力化をさらに加速させていきたいと考えています。

飛島ホールディングス株式会社 IR推進部(飛島建設 広報担当) 
TEL: 03-6455-8312

飛島ホールディングス株式会社 経営戦略統括本部 イノベーション企画部
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