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飛島建設とロゼッタグループが「多機能ハンズフリーシステム」の開発に着手

- 建設現場におけるDX推進に向け、ビッグデータ活用により生産性向上を図る -

 飛島建設株式会社(東京都港区、代表取締役:乘京正弘)と株式会社ロゼッタグループ(東京都千代田区、代表取締役:五石順一)は多機能ハンズフリーシステム「T-4PO」の製品化に向けて共同開発を開始いたしました。

 建設現場の生産性向上を目的に、遠隔地からも情報共有を可能とするハンズフリーアプリケーション、ならびに現場におけるデータ取得アプリケーション、さらに、同時自動通訳機能を付加した「多機能ハンズフリーシステム」の構築を目指します。

 建設現場において、スマートフォンなどのコミュニケーションツールは、ハンズオンデバイスのため作業を中断しなければならず非効率化を招くとともに、片手をふさいだ状態での作業となり安全面でも課題となっています。また、現場の管理・安全記録などを自動で蓄積するシステムは未整備であり、これらを解決する「多機能ハンズフリーシステム」が求められています。

 一方、グローバル化にともない外国人との交流機会が増加しており、あらゆる産業でのコミュニケーションツールの開発・整備が喫緊の課題となっています。とりわけ、建設業界においても、外国人技術者とのコミュニケーションのニーズが高まっている中、建設現場においては、専門性の高い業務内容の共有や、状況に応じた臨機応変な対応など、言語の違いが業務上の支障となっています。

 開発する「多機能ハンズフリーシステム」は、デバイスとして産業用スマートグラス「HMT-1」(日本システムウエア)を活用することでハンズフリーを実現し、ネットワークシステムの活用により遠隔地にいる他の技術者とのタイムリーな情報共有も可能となります。あわせて、LOG・音声・テキスト・画像データを蓄積することで、建設現場の管理記録の作成などを簡素化することができ「働き方改革」の推進につながります。加えて、外国人技術者とのコミュニケーションの円滑化を図るため、一般的な会話は勿論、建設技術に関する専門用語、さらには建設業界特有の単語も網羅したロゼッタグループの通訳システムをベースに開発を行います。

 「HMT-1」を着用している者同士だけでなく、遠隔地である現場事務所、監理者・事業者会社と、音声・画像・図面・動画の共有を容易に行うことができます。例えば、遠隔地にいる監理者がリアルタイムで現場に指示を出すことができ、スピーディーで正確な問題解決を図ることが可能となります。今後は、BIMやCIMと連携することで、より詳細な3D情報を共有できるようになり生産性が向上します。

 「HMT-1」を技術者が装着することで、話した内容(テキストデータ)に紐づけた音声や画像情報を保存することができ、取得したデータをサーバー上に保存し、事務所での書類整理・作成の簡素化につながります。

 これまでの建設現場では、WEBカメラによる定点観測が行われています。WEBカメラは、工事の進捗などにより、移設や増設を何度も行う必要があります。しかし、「HMT-1」を活用することで、これまで撮影することのできなかった「技術者視点のドライブレコード」を取得することができ、WEBカメラの増設などの作業を削減することもできます。人がカメラを備えていることで、工事の施工記録を残すことができるだけではなく、ヒヤリハットやトラブル発生時の画像データも容易に取得することができ、この画像を解析することによって、これまで明確になっていなかったヒヤリハットやトラブルの原因を究明し、更なる安全性向上に結び付けることができます。

 音声に対して、リアルタイムにSpeech to text(音声認識)通訳を実施し、結果を画面上に表示することで、異なる言語の技術者同士で、円滑なコミュニケーションを図ることが可能となります。また、建設業界特有の用語に対しても、網羅した通訳を行います。一方、相手が「HMT-1」を着用していない場合であっても、手持ちのスマートフォンやタブレットを使うことで、同様のコミュニケーションをとることができます。

 建設現場で、「多機能ハンズフリーシステム」を活用することで、これまで、記録することができなかった、建設現場に関する様々なビッグデータを蓄積することが可能となります。これまでに明らかになっていない、新たな安全面に必要な要因分析、技術者の会話内容や指示の内容、トラブル時の対応など、詳細に分析することで、優秀な技術者の要因抽出を可能とし、AIの活用に生かすことを目指します。

 海外を含めた建設現場はもちろんのこと、広く建設業界へ「多機能ハンズフリーシステム」を展開することで、より多くの外国人とのコミュニケーションの実現と、安全性の向上を図ります。その後は、建設業界にとどまらず、ハンズフリーの利点やデータの蓄積を生かせる業種(製造・外食・介護・航空)へ展開していきます。さらに、オリンピックパラリンピックをはじめとした国際イベントの開催時には、外国人への案内やコミュニケーションを図るアプリケーションとして、有効に活用できるシステムを目指します。

2019年9月~10月  システム開発
2019年11月    実証実験
2019年12月~2020年4月 商品化開発
2020年5月     販売開始(予定)

・飛島建設株式会社 企画本部 広報室
 松尾 和昌 TEL:03-6455-8312

・株式会社ロゼッタ / 株式会社T-4PO Construction マーケティング本部
 渡邉、三重野 TEL:03-5215-5671

・飛島建設株式会社 企画本部DX推進統括部
 大福 広三 TEL:03-6455-8315

・株式会社ロゼッタ / 株式会社T-4PO Construction 戦略企画室
 奥山、中村 TEL:03-6685-9570