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飛島のDX 人的安全行動管理システムの実証実験を開始しました

- 自社の土木・建築の工事現場で働く作業員の行動異常値を見える化 -

 飛島建設株式会社(東京都港区:代表取締役社長:乘京正弘)と株式会社Sassor(サッソー)(東京都目黒区:代表取締役社長:石橋秀一)は、2020年3月から加速度センサー技術等により作業員の異常行動をデータ解析し、ヒューマンエラーを事前に察知するシステムを開発してきました。2020年7月に試作機(加速度等センサー装置)が完成し、2020年9月から自社の土木・建築の工事現場で働く作業員のヘルメットに試作機を取付けて、個々人の活動データを取得し解析する実証実験を開始します。
 身体的な原因や精神的な原因等でも人の動きに変化が現れることが分かっており、作業員のいつもと異なる動きから異常を検知してモニタリングします。これらセンサー技術とAIを駆使して作業員の行動の異常を発見することによりヒューマンエラーを事前に防ぐ安全な現場が実現できます。
 装置には加速度センサーの他に温度計・湿度計・気圧計センサーも付随しており熱中症等もモニタリングできます。また、試作機から発する電波を無線LAN機器が受信することにより工事現場のどこで作業をしているのか見える化することもできます。

 このシステムは作業員のヘルメットに取付けた装置から無線LANを経由してクラウドサーバへデータを転送し、そのデータを解析して個人の異常値を判定します。時系列にモニタリングした結果を異常行動のアラートとしてダッシュボードに表示します。
 これにより管理者は作業員の異常度がタイムリーに確認できるようになっています。

 このシステムで推定される異常度は目に見えて気づける異常ではなく、なにか不調なのではないかと思われる潜在的な異常となります。
 例えば、階段を登って疲れた動きや筋肉痛で足に痛みがある時の身体的な動きは異常とはならない例であり、寝不足や心的疲れで普段と異なる動きとか、イライラやストレスで普段と異なる精神的な動きなどが異常になりうる例となります。
 このシステムを使い続けることでAIによるデータ分析の精度が上がり作業員が安全な状態であるかがタイムリーに確認できます。

 土木・建築の4現場を選定し、作業員は躯体工(型枠工・鉄筋工)25名程度を選任してデータ取得を行います。データ取得は同一人物に試作機を付けて約2か月間行います。データ解析は作業員の動きを周波数データに変換して行動を推定していきます。歩行や作業の行動推定は長くデータ取得するほど異常度の検出精度が高くなります。
 データは無線LANを経由してクラウドサーバへ蓄積されますが、正確なデータを効率的に取得するために無線LANの環境構築(無線装置の配置場所等)も併せて進めて行きます。これにより今後の現場でデジタルツールを使用して行く上で工事現場の無線LAN環境の問題点も解決していきます。

イメージ図:ヘルメットの後部に設置

飛島建設株式会社 企画本部 DX推進統括部
森田 博・竹林 渉 TEL: 03-6455-8333