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四足歩行ロボットの自律歩行による巡回点検システムを開発

― 自動自律の巡回点検により工事現場における施工管理を高度化・効率化 ―

 飛島建設株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:築地 功)は、自律歩行する四足歩行ロボットを利用した巡回点検により、工事現場における施工管理業務の高度化と効率化を実現するシステムを開発しました。また、工事現場における開発機能の検証により有効性を確認しました。

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写真-1 四足歩行ロボット外観
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写真-2 工事現場内での自律歩行状況の一例

 建設分野では、働き方改革や少子高齢化による労働力不足から生産性の向上を図ることが喫緊の課題です。当社においても、デジタルツイン技術*1 やAI技術*2 の活用、全自動ドローンによる自動点検システム*3 を開発し、施工管理業務の高度化・効率化を進めています。
 このような社会ニーズを背景に、更なる施工管理業務の高度化・効率化を目的として、地上型ロボットのひとつである四足歩行ロボットの活用に着目しました。四足歩行ロボットは車輪型ロボットに比べ不整地での移動に優れます。また、ドローンに比べセンサ搭載の自由度が高く、稼働時間も比較的長いなどの特長があります。
 このような特長を持つ四足ロボットに、3D LiDAR*4 を用いた自己位置推定により、あらかじめ決められたポイントを自律歩行する機能を開発するとともに、リアルタイムな映像・音声配信、映像取得や3D点群取得といった機能を開発し、ロボットが自動自律で巡回点検するシステムを開発しました。なお、本システムの一部の開発において関西大学 総合情報学部 田頭茂明 教授の技術指導を受けています。

 本システムは、Unitree Robotics社製のUnitree Go2をベースに開発しました。Unitree Go2は標準機能として専用アプリによる無線操作や、ROS(Robot Operation System)による制御が可能です。本システムでは自律歩行による巡回点検に対応するため、深度カメラ、3D LiDAR、マイクスピーカーならびにPCをUnitree Go2に搭載しました。

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写真-3 ベースロボット(Unitree Go2)
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図-1 搭載機器

(1) 遠隔操作機能
 ネットワークを介して、四足歩行ロボットの操作が可能です。また、四足歩行ロボットに標準搭載のカメラ映像や、深度カメラ映像、ロボットの状態(バッテリー残量、モーター温度)をリアルタイムに確認可能です。なお、Webアプリケーションとして開発しているため、デバイスによらず操作が可能です。

(2) 双方向音声機能
 ロボット搭載のマイクスピーカーにより、遠隔地との音声によるコミュニケーションが可能です。

(3) 自律歩行機能
 ロボット搭載の3D LiDARを用いたSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)による自己位置推定により、あらかじめ作成したマップ上にウェイポイントを指定することで自律歩行が可能です。

(4) センサデータ取得機能
 ロボット標準搭載のカメラや3D LiDARから静止画、動画や3D点群データを取得することが可能です。また、自律歩行設定時にデータ取得を計画することで、指定位置や指定区間で自動的にセンサデータを取得が可能です。

 以上の機能により、巡回・点検のための現場への移動時間の削減や、労力を増やすことなく高頻度な巡回・点検の実現に加え、自動的に静止画・動画・3D点群の取得が可能となり、大幅な施工管理の高度化・効率化が期待できます。

 開発機能の有効性の検証を、当社が施工する高速道路工事内で実施しました。ネットワークを介した遠隔制御による四足歩行ロボットの現場(舗装路盤)歩行や映像のリアルタイム受信が可能でした。また、双方向音声通信により、遠隔操作者と四足歩行ロボット付近の人間との遠隔音声コミュニケーションも可能でした。

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図-3 遠隔操作と音声コミュニケーション検証状況の一例

 また、あらかじめ設定したウェイポイントを経由する自律歩行やウェイポイント間で障害物が存在する場合の迂回歩行、事前に設定した位置・区間でのセンサデータの取得についても実証されました。
 さらに、自律歩行にて取得した3D点群データと、別途測定した3Dスキャナによる点群データの二つのデータを坑口から約20mの断面で比較したところ、トンネル幅について20mm程度の差で測定可能であることも実証されました。

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写真-4 自律歩行状況の一例(P1⇒P2)
取得画像
写真-5 四足ロボット取得画像の一例(P2)

 今後は四足歩行ロボットによる自動巡回点検の現場実装を推進します。また、本システムと、これまでに当社が開発したドローンによる遠隔点検システムと組み合わせ、屋外はドローン、屋内は四足歩行ロボットのように、それぞれの長所を活かした補完・協調するシステムを開発し、さらなる施工管理業務の高度化・効率化を目指してまいります。

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