NEWS RELEASE
ニュースリリース
![]() |
![]() |
飛島建設株式会社(東京都港区:代表取締役社長 築地 功)とタグチ工業株式会社(福岡県福岡市:代表取締役社長 田口 幸作)は、連続ベルトコンベヤにおける異物混入対策の一環として、画像処理を活用した鋼管混入自動検知システムを共同開発しました。試験導入による検証では、鋼管が混入した際に即時に警告・記録を行い、その情報を仕分け作業にフィードバックすることで、現場のダウンタイムを低減できる効果を確認いたしました。
山岳トンネル工事において、切羽の安定を確保する目的で用いられる補助工法である鏡ボルトの施工では、掘削において掘り出された岩石(ずり)の搬出時に、施工時に用いた鋼管がずりの中に混入する事象が発生します。
特に連続ベルトコンベヤ方式でずりを搬出している場合では、混入した鋼管が自走式クラッシャーやベルトを損傷させるおそれがあるため、発生を回避する目的で作業員が目視による監視を行い、鋼管の混入を確認した際にフィーダーを停止する対応を取っています。しかし、この対応では人的負担が大きく、リソース面に課題がありました。
この課題を解決するため、画像処理による自動的かつ継続的に監視する仕組みを構築して機材の損傷防止を図る鋼管混入検知システムを開発しました。
![]() 自走式クラッシャーへの鋼管混入 |
開発したシステムは、自走式クラッシャーにGigEカメラと画像処理サーバを設置したエッジコンピューティング形式であり、搬出中のずりを常時撮影し、サーバがリアルタイムに画像を解析することで、鋼管の混入を自動的に検知します。
![]() カメラと画像処理サーバの外観 |
![]() 開発システムの機器構成 |
解析に使用する映像は、ずり投入部に設置したカメラから取得され、WebRTC(Web Real-Time Communication)を用いて現場ネットワーク内の端末へ配信されます。作業員や重機オペレータは、ブラウザを通じてWebアプリとしてリアルタイム映像と最新の検知記録を閲覧することができ、鋼管が検出された際には、その情報が画面上に即座に表示されます。
![]() Webアプリ上の表示 |
また、自走式クラッシャーのフィーダーと連動する遠隔操作スイッチを導入し、離れた位置からでもフィーダーを停止できる運用環境を構築しました。これにより、Webアプリ上で鋼管の混入を確認した際には、重機オペレータが手元のスイッチを操作することで、フィーダーを迅速に停止させることでき、従来必要であった作業員によるクラッシャー付近での常時監視を行わずとも、機械の損傷を未然に防ぐことが可能となりました。
なお、画像解析手法については、直線的な形状を持つ鋼管の特徴に着目し、Hough変換による直線検出を応用した独自のアルゴリズムを開発し、当システムに採用しています。
![]() 鋼管検出時の操作 |
実際に連続ベルトコンベヤを使用している山岳トンネル工事の現場で、試験的に鋼管を混入させる検証実験を実施し、カメラにはっきりと鋼管が映り込む条件下では、誤検出(*1)の多さが課題として残りつつも、見逃し(*2)は10%以下のフレーム数となることを確認しました。また、検知から1秒以内にWebブラウザに検出情報が表示され、重機オペレータが即座に状況を把握できることも確認できました。
試験導入は2025年1月から2026年1月現在までの長期間にわたって継続しており、その間の実施工においても鋼管の検知に成功しています。混入の記録を画像として蓄積できるようになったことで、現場へ確実にフィードバックが行えるようになり、鋼管混入の抑制にも寄与しました。
*1 誤検出: 鋼管が映り込んでいないのにも関わらず混入と認識
*2 見逃し: 鋼管が映り込んでいるにもかかわらず検知しない
![]() 鋼管検出の例 |
誤検出の削減や処理速度の向上に向けて、画像解析性能の向上に取り組んでいます。また、画像処理による異物混入検知システムとしての製品化を目指し、さらなる改良を継続すると共に、鋼管以外の異物についても検知対象を拡大し、より幅広い用途に対応できるシステムの開発を進めてまいります。
飛島ホールディングス株式会社 IR推進部(飛島建設 広報担当)
TEL: 03-6455-8312
飛島建設株式会社 技術研究所 研究開発G TEL : 04-7198-1101
タグチ工業株式会社 エンジニアリング部 TEL : 092-292-1622