飛島建設

OPENCLOSE

NEWS RELEASE
ニュースリリース

ニュースリリースのメインビジュアル

低騒音・低振動・低粉塵型目荒らし『ブラストキー工法』の適用範囲拡大

- 「チッピングによる目荒らしを簡易にブラストキーへ置換する設計手法」
「建築構造物全般の接合部に適用、管理のできる目荒らし工法」 -

2019年10月31日

 飛島建設株式会社(東京都港区:社長 乘京正弘)、東亜建設工業株式会社(東京都新宿区:社長 秋山優樹)の2社は、建築物の耐震補強に用いる工法として、低騒音・低振動・低粉塵型目荒らし『ブラストキー工法』を開発し、2014年に第三者機関において建築技術性能証明を取得しています。今回、「チッピングによる目荒らしを簡易にブラストキーへ置換する設計手法」及び「建築構造物全般の接合部に適用、管理のできる目荒らし工法」の技術を追加して、2019年3月28日に一般社団法人 建築研究振興協会より、技術(性能)評価(BRP-R1803014-ST)を取得しました。

はじめに

 コンクリート同士の接合面には、それぞれの一体性を高める必要があるため、既存側のコンクリート表面を荒らす作業として「目荒らし」という作業があります。この目荒らしは、通常、ピックハンマーを用いてコンクリート表面に不規則な凹凸を形成させます[以下、「チッピング工法」と言います](写真1参照)。目荒らしが使用される箇所は、壁・柱・梁の増し打ち部、耐震補強の鉄骨ブレース補強や制震補強の間接接合部等であり、目荒らしは多くの場所で使用されています。

写真1 コンクリート表面へのチッピング工法による目荒らし施工例

■写真1 コンクリート表面へのチッピング工法による目荒らし施工例

開発の概要

 従来のチッピング工法による目荒らしは、躯体に電動ハンマにより打撃を与えるため、大きな音や振動が発生することに加え、多くの粉塵が生じる等、施工時の周辺環境の悪化を招きます。そのため、耐震補強工事を例にすると、チッピング工法は特に居住者が住みながらの施工では、苦情の対象となる場合があります。(図1参照)

 ブラストキー工法は低騒音・低振動に加え、環境に配慮した目荒らし工法を確立することを目的として開発を行いました。ブラストキー工法による目荒らしは、躯体面に打撃を与えないコアドリルを用いるため、騒音や振動が大幅に低減され、また、施工時の粉塵の発生を少なくすることができます。これらにより、施工時の周辺環境を大きく損なうことなく、工事を行うことができるようになります。

図1 チッピング工法とブラストキー工法の施工イメージ図

■図1 チッピング工法とブラストキー工法の施工イメージ図

 今回、「ブラストキー工法」に関する技術の適用範囲拡大として、新たに、①「チッピングによる目荒らしを簡易にブラストキーへ置換する設計手法」を確立したことにより、②「建築構造物全般の接合部に適用、管理のできる目荒らし工法」となり、広範囲の接合部に用いることが可能となりました。

ブラストキー工法の概要

 ブラストキー工法は、ダイヤモンドコアドリルでコンクリート表面を切削するため、騒音・振動・粉塵を抑えて施工できる目荒らしです(写真2参照)。また、施工者の技量差によらず一定の形状で施工ができることから、せん断耐力を定量的に評価でき、ブラストキーの個数を数えることで容易に管理が可能となります(表1参照)。

写真2 チッピング工法とブラストキー工法の比較

■写真2 チッピング工法とブラストキー工法の比較

■表1 チッピング工法とブラストキー工法の比較

表1 チッピング工法とブラストキー工法の比較

追加技術の概要

①「チッピングによる目荒らしを簡易的にブラストキーへ置換する設計手法」

 開発2社は、今まで不規則な形状・面積とせん断耐力の関係が明確でないチッピングの形状や面積を各種実験により究明し、これらとせん断耐力の関係を解明しました。ブラストキーにおいても、同様に構造性能を把握したことで、チッピングをブラストキーへ置換する設計手法を確立しました(写真3参照)。具体的には、「接合面全体の面積」と「目荒らし面積比(チッピングによる目荒らし面積の接合面全体の面積に対する比)」のみがわかれば、ブラストキーの個数が容易に算定できる設計手法になります。

②「建築構造物全般の接合部に適用、管理のできる目荒らしへ」

 チッピング工法の場合は、目荒らしの面積や深さを管理することが難しいですが、ブラストキー工法の場合は、ブラストキーの個数と深さで容易に管理することができます。その結果として、壁・柱・梁の増し打ち部、耐震補強の鉄骨ブレース補強や制震補強の間接接合部等、多くの箇所にブラストキー工法を適用できるようになりました。

写真3 チッピングからブラストキー工法への置換

■写真3 チッピング工法からブラストキー工法への置換

適用範囲

 本工法の主な適用範囲は、以下の通りです。

  • ブラストキー工法は、せん断耐力を負担する部位に使用します。
    (新築、耐震補強、増改築等におけるコンクリート同士の接合面のせん断抵抗要素として使用できます。)
  • ブラストキーを施工するコンクリート強度は、原則として普通コンクリートで10.0N/mm2以上、軽量コンクリートで13.5N/mm2以上とします。

施工技術者

 ブラストキー工法の施工は、品質を確保するために、「ブラストキー研究会」* からの技術指導を受けた者が行います。具体的には、座学および実技の施工講習試験を実施し、資格者証を有する者が施工を行います(写真4参照)。

(a)座学講習

(a)座学講習

(b)実技講習

(b)実技講習

■写真4 施工講習会状況

*本工法の維持管理および普及推進を図るとともに、お客様からの相談窓口となる体制確立のため設立した組織。

今後の展開

 この開発により、ブラストキー工法の適用範囲が広がり、多くの建築構造物に採用できるようになりました。今後も、設計事務所や工事施工会社への会員参加を募り、ブラストキー工法の施工実績を増やすと共に、社会に貢献できる技術開発を進めてまいります。

 ブラストキー研究会では、2019年11月から2020年1月にかけて、全国各地で設計講習会を開催予定です。初回講習会のみ無料での参加が可能となります。講習会の開催場所、日程等に関するお問い合わせは、下記ブラストキー研究会までご連絡ください。

※ブラストキー工法による目荒らし施工方法は、飛島建設株式会社、東亜建設工業株式会社の2社共同で特許出願しています。

ニュースリリースに関するお問い合わせ

  • 飛島建設株式会社 企画本部 広報室:松尾 
    〒108-0075 東京都港区港南1-8-15 Wビル5F
    TEL:03-6455-8312
  • 東亜建設工業株式会社 経営企画部 広報室:北川
    〒163-1031 東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー
    TEL:03-6757-3821

技術に関するお問い合わせ

  • ブラストキー研究会 事務局 担当:今(こん)
    〒108-0075 東京都港区港南1-8-15 Wビル5F 株式会社E&CS内
    TEL:03-6455-8430
    E-mail:minakokon@toggle-ecs.com