トンネル切羽高速・高密度計測システム：“TFS-Mapper” |飛島建設

　飛島建設株式会社（東京都港区：社長　乘京正弘）と岐阜工業株式会社（岐阜県瑞穂市：代表　宗像国義）は共同で、トンネル建設工事での掘削面である切羽の状態を、LiDARにより高速・高密度で計測監視するシステム：TFS-Mapperを開発しました。山岳トンネル建設工事の安全性向上を目的に、切羽の押出し変状の早期検知や鏡吹付け厚さの管理に活用していきます。

開発の背景

　山岳トンネル建設工事では、切羽の崩落や、その対策としての鏡吹付けコンクリートの確実な施工を確認するために、切羽の状況を定量的に監視することは重要です。この監視方法として、これまでに当社においても、レーザー距離計を複数台用いたシステムを開発（注）していますが、“点”の計測に留まっていました。
　今回、高速に3次元点群を取得可能なLiDAR(Light Detection and Ranging)を活用し、切羽を“面”的に計測するシステム：TFS(Tunnel Face Smart)-Mapperを開発しました。本システムを使用することで、切羽全体に対して、切羽の押出し量やその領域、また、切羽に施工する鏡吹付けコンクリートの厚さなどをリアルタイムかつ定量的に評価することが可能で、山岳トンネル建設工事の安全性や施工効率が向上します。

図－１　LiDARによるトンネル切羽計測状況の一例

TFS-Mapperの概要と特長

　TFS-Mapperは、計測部であるLiDARおよびカメラと、制御部であるPC、ならびに、遠隔表示部であるタブレットで構成されています。使用するLiDARは、70°の円形視野角内を１秒間に100,000点の計測が可能です。LiDARにより計測された計測開始からの移動量（押出し量、または、鏡吹付け厚さ）をカメラ映像上にカラーコンター表示します。
　本システムの計測部は、ドリルジャンボまたは吹付け機といった施工機械に設置することも可能です。また、タブレットにより遠隔表示機能により、切羽監視員や吹付けリモコン操作者がシステム表示画面を手元で確認可能となっています。

図－２　TFS-Mapperシステム構成

(a)鏡吹付け量管理

(b)押出し監視

図－３　TFS-Mapper表示画面の一例

本システムの特長を以下に示します。

NEWS RELEASE
ニュースリリース