CIVIL ENGINEERING
TUNNEL
地下空間・山岳トンネルの技術

CIVIL ENGINEERING
TUNNEL
地下空間・山岳トンネルの技術
レーザー距離計を用いた多点同時変位計測による切羽押出し量の計測監視システム
山岳トンネルの施工では、未固結地山や断層破砕帯等の脆弱地山に遭遇し、作業中に切羽崩壊が発生することがあります(写真-1)。「切羽安全監視システム」は、建設現場での簡易測量に使用される安価なレーザー距離計を用いて、複数台のレーザー距離計を遠隔制御する技術を応用し、切羽押出し量等の地盤変位を最小1秒間隔で多点同時に連続計測します。そして、得られた複数箇所の計測データを1台の計測用PCにワイヤレスで転送・演算処理して変位量や変位速度を算出し、あらかじめ設定した管理基準値(注意、危険、限界の3レベル)を超えた場合、アラーム付き警告灯により切羽作業員に対して即時に注意喚起します(図-1)。
レーザー距離計を用いた「切羽安全監視システム」には、表-1に示す特徴があります。切羽の不安定な不良地山や崩壊性の地盤において、押出し量や地盤挙動の計測監視に本システムを適用することにより、以下の効果が期待できます。
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自動追尾型TS | レーザー距離計 | |
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変位計測のアウトプット | 3次元変位 | 変位量のみ |
計測精度 | ±1~3mm程度 | ±1mm以内 |
測定時間 | 5~10秒/測定 | 最少1秒/測点 |
多点計測への適用性 | 測点が増えるとリアルタイムの同時計測が困難 | 1台の計測用PCで最大8測点までの同時計測可能 |
危険な箇所に立ち入ることなく、非接触で対象物の変位量を多点同時に連続計測できることから、切羽安全監視だけでなく、以下の分野へ展開することができます。