CIVIL ENGINEERING
BRIDGE

橋梁の技術

飛島の技術-土木のメインビジュアル

3H(Hybrid Hollow High Pier)工法

高橋脚の建設新技術
3H工法は、自然環境保全と施工の合理化を図り、耐震性、経済性を兼ね備えた高橋脚の施工を実現する新しい工法で、

  1. H形鋼/鋼管
  2. スパイラルカラム
  3. 3Hパネル/昇降式移動型枠

という基本要素を適宜組み合わせることで、30mクラス以上の中空断面高橋脚の設計・施工を行う技術です。

■ 在来工法と3H工法の比較断面図

3H(Hybrid Hollow High Pier)工法 在来工法と3H工法の比較断面図

■ 在来工法と3H工法の隅角部詳細図

3H(Hybrid Hollow High Pier)工法 在来工法と3H工法の隅角部詳細図

3H(Hybrid Hollow High Pier)工法の特長

  1. 1

    H形鋼、鋼管の使用

    軸方向鋼材に座屈強度の高いH形鋼あるいは鋼管を用いて複数本の鉄筋と置き換えることで耐震性の向上と省力化を図ります。H形鋼は必要鋼材量が比較的少ない場合に、鋼管は必要鋼材量が比較的多い場合に適します。

    特長

    • 軸方向鉄筋の本数と継手数の減少
    • 耐震性(終局時のじん性)の向上
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    スパイラルカラム

    スパイラルカラムとは、数本の軸方向鉄筋に細径異形PC鋼棒をスパイラル状に巻き付けた柱状の鉄筋かごのことを言います。スパイラルカラムはその中に配置されるH形鋼または鋼管と共同して耐力、変形性能に優れた複合部材として機能します。

    特長

    • 中間帯鉄筋としての機能(コアコンクリートの横拘束および軸方向鉄筋の座屈防止)
    • 現場での中間帯鉄筋の配筋作業の省略
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    3Hパネル/昇降式移動型枠

    木製型枠を使用せず、完成後構造体として機能する3Hパネル(帯鉄筋が内蔵されたプレキャスト製埋設型枠)あるいは転用可能な昇降式移動型枠を使用します。目安として、橋脚高さ30~60mの場合には3Hパネルを、橋脚高さが50m以上の場合には昇降式移動型枠を使用します。

    特長

    • 木を伐らない省資源の実現
    • 現場での中間帯鉄筋の配筋作業の省略
    • 現場での帯鉄筋の配筋作業の省略(3Hパネル使用時)

従来工法との比較

3H工法は前述のとおり様々な特長を有しており、在来工法と比較して効果を発揮する項目を整理すると、下表のようになります。

 施工の効率化耐震性の向上環境保全経済性の向上品質向上美観向上
(1)スパイラルカラム 
(2)型枠3Hパネル
昇降式移動型枠   
(3)H形鋼/鋼管  

在来と比べて◎:特に効果を発揮する項目、○:効果を発揮する項目

あるモデル橋梁を対象に、工期・経済性を比較した結果を下表に示します。

橋脚高さ工法名構造施工法評価項目
工期直接工事費
30m在来工法RC総足場1.001.00
3H工法SRC3Hパネル0.821.08
移動型枠1.011.02
60m在来工法RC総足場1.001.00
3H工法SRC3Hパネル0.671.05
移動型枠0.880.89

※工期短縮等による間接工事費の縮減を考慮すると、総工費の縮減が可能

外部団体への登録状況

国土交通省NETISKT-990168
特許2件出願中

 3H工法は、旧建設省土木研究所、(財)先端建設技術センターおよび民間11社(飛島建設(株),石川島播磨重工業(株),(株)奥村組,佐藤工業(株),清水建設(株),東急建設(株),日本ヒューム(株),(株)間組,(株)フジタ,前田建設工業(株))により、平成7~9年に実施された「プレハブ・複合部材を用いた山岳部橋梁下部工の設計・施工技術の開発に関する共同研究」の成果です。