CIVIL ENGINEERING
DAM

ダムの技術

飛島の技術-土木のメインビジュアル

セルダンパー防振マット

病院や住宅など静穏を要する施設や精密機器を製造する工場などに近接して工事を行う場合、重機の稼働に伴う振動への対策が求められます。セルダンパー防振マットは特殊ポリウレタン発泡体を用いた防振マットです。重機が稼働または移動する地盤上にセルダンパー防振マットと敷鉄板を敷設して、この上に重機を配置することで地盤へ伝搬する振動を抑制することができます。これまでに土木、建築を問わず多くの建設工事で利用されています。

セルダンパー防振マットの設置状況 写真

セルダンパー防振マットの設置状況

重機(クローラークレーン 60ton級)の上載状況 写真

重機(クローラークレーン 60ton級)の上載状況

技術の特徴

  1. 1

    製品厚みが50mmであることから重機の乗り降りが容易であり、コンクリートミキサー車等の大型車の走行にも対応します。

  2. 2

    防振材に特殊ポリウレタン発泡体を使うことで、従来品(ポリエチレン発泡体)の3分の1の製品厚みで、従来品と同等の5~10dBの振動低減を可能にしました。最大で60tonまで使用できるので幅広い重機に対応します。

  3. 3

    繰り返し荷重に対する製品の劣化がほとんどないので、長期にわたって安定した防振効果を発揮します。鉄道用軌道パットの繰り返し圧縮残留歪の評価に準拠した試験において残留歪はほとんど発生しません。

従来工法との比較

従来工法に比べて3分の1の製品厚みで5~19dBの振動低減効果を発揮します。従来品が対応するのは20tonクラスまでの重機ですが、セルダンパー防振マットは60tonクラスまで対応します。従来品は繰り返し圧縮に対する残留歪が大きいので長期にわたって防振効果を発揮できませんが、セルダンパー防振マットは残留歪がほとんどないので長期にわたって防振効果を発揮します。

主な適用範囲

60tonクラスまでの重機に対応します。

主な実績

  • 一般国道400号 下塩原第二トンネル本体建設工事(平成24年度)
  • 江戸川左岸流域下水道立坑築造工事(平成24年度)
  • 市川市大和田ポンプ場建設工事(平成24年度)
  • 指宿市新潟口雨水ポンプ場建設工事(平成25年度)
  • 平成25年度以降、(株)アクティオによるリース開始

外部団体からの表彰・外部団体への登録状況

  • 特許第6030376号 重機上載用防振構造
  • NETIS CB-120026-VE セルダンパー防振マット

施工手順

  1. 重機の重量を確認してセルダンパー防振マットの仕様を選定する。
  2. 重機作業場所へセルダンパー防振マットを敷きならべる。
  3. セルダンパー防振マットの上に敷き鉄板を敷いて完成。
Keyword
 
関連資料
  • 平成25年(建通新聞)、平成26年(日刊建設工業新聞)
  • 土木学会年次学術講演会
    特殊ポリウレタン発泡体による工事振動の低減効果、その1、その2、平成24年.9
    特殊ポリウレタン発泡体による工事振動の低減効果、その3、平成26年.9
関連技術
 
関連論文