CIVIL ENGINEERING
TUNNEL

地下空間・山岳トンネルの技術

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練上がり温度を自動制御する吹付けコンクリート製造設備「スマートバッチャープラント®」

吹付けコンクリートは山岳トンネル工事における主要な支保部材であり、施工直後から高い強度発現が求められます。この強度発現はコンクリート温度に大きく影響されます。スマートバッチャープラントは、温水と蒸気によるコンクリート材料の加温機能と連続温度計測機能により、コンクリートの練上がり温度を熱容量計算に基づいて自動制御することができます。一定温度のコンクリートを供給することで品質変動を抑制し、安定した品質での施工を実現しています。

スマートバッチャープラントのシステムの概要 イメージ

スマートバッチャープラントのシステムの概要

コンクリート練上がり温度と外気温の経時変化の例 イメージ

コンクリート練上がり温度と外気温の経時変化の例

技術の特徴

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    コンクリート材料の加温機能

    コンクリート材料のうち、水、細骨材(砂)、粗骨材(砕石)を加温する機能があります。

    • 温水ボイラと大容量保温タンク(4.8m3)により、安定して温水を供給できます。
    • 細骨材と粗骨材は、計量器へと運ぶベルトコンベア上で蒸気噴霧にすることで、使う直前に必要な量だけ加温できます。
    • ミキサ投入前に骨材の表面水率を自動測定し、蒸気噴霧により増加する水分量を練混ぜにフィードバックできます。
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    練混ぜ前後の正確な温度計測機能

    • 練混ぜ前に原水(冷水)、温水、細骨材、粗骨材、セメントの各温度を計測します。
    • 練混ぜ後にミキサ内のコンクリート温度(練上がり温度)を計測します。ミキサ上部に取り付けたシャッタ付きデジタル放射温度センサにより、非接触測定を行います。
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    目標練上り温度に合わせて原水と温水の割合を自動調整する制御機能

    • 練混ぜ前に計測したコンクリート材料の各温度から、目標練上り温度に必要な熱容量を逐次計算し、原水と温水の割合を自動調整します。
    • 計測した練上がり温度と目標練上がり温度の差を次のサイクルの目標練上り温度にフィードバックすることにより、複数のバッチが投入されるアジテータ車内のコンクリート温度を目標練上り温度に近づけることができます。

従来工法との比較

  • 自動温度制御機能により、外気温が氷点下となる冬期においても、安定した練上がり温度でコンクリートを製造できます。
  • 吹付けコンクリートの付着性が向上するため、吹付け時のはね返りを低減でき、急結剤添加率も低減できます。
  • 吹付けコンクリートの品質のばらつきが抑制され、長期圧縮強度が向上します。

主な適用範囲

山岳トンネル工事の吹付けコンクリートプラント

主な実績

  • 宮古盛岡横断道路 岩井地区トンネル工事(2015~2019年、発注者:国土交通省東北地方整備局)

外部団体への登録状況