CIVIL ENGINEERING
TUNNEL

地下空間・山岳トンネルの技術

飛島の技術-土木のメインビジュアル

光で覆工コンクリートの打設高さを管理する「スターライトセンサシステム」

トンネルでセントル型枠を用いて覆工コンクリートを打設する際に、品質管理の面からコンクリートの打設高さを管理することが重要となりますが、通常、打設高さを確認するためには、狭隘なセントル内から検査窓越しに照明を当てながら覗き込んで目視確認する必要がありました。スターライトセンサシステムは、セントル表面に設置された多数の照度センサとLED照明によって、コンクリートの打設高さをリアルタイムに検知して「見える化」するシステムです。

セントルの照度センサとLED照明の設置箇所 イメージ

セントルの照度センサとLED照明の設置箇所

センサ部拡大図 イメージ

センサ部拡大図

システム管理画面の表示例 イメージ

システム管理画面の表示例

天端部の状況 イメージ

天端部の状況

技術の特徴

  1. 1

    コンクリート打設高さ検知機能

    • 照度センサとLED照明が1つずつで1セットとなっており、図の例では縦断方向に5断面、1断面あたり周方向に11セット、合わせて55セットをセントル表面に配置しています。
    • コンクリートが照度センサの高さまで打設されていない場合、LED照明から照射された光は、防水シートに反射して照度センサまで届きますが、コンクリートが打設されると光が照度センサまで届きません。この照度の差を利用することで、コンクリートの打設高さを検知することができます。
  2. 2

    コンクリートの打設高さの見える化

    • セントルに設置した制御用PCと大型ディスプレイにより、打設高さを管理画面上に見える化することができます。
    • 管理画面の右側には、コンクリートポンプ車から送られる情報が表示されており、コンクリートポンプの吐出量、油圧量、設定打設量、残り打設量、コンクリート温度、圧送状態をリアルタイムで表示し、経時変化を記録することができます。
    • トンネル坑内にインターネット環境があれば、管理画面を坑内外、ならびに遠隔地でもスマートフォン等の情報端末で見て、打設の進捗具合を確認することができます。
  3. 3

    型枠バイブレータとの連携による自動締固め機能

    • センサ部分の下部に型枠バイブレータを設置し、「型枠バイブレータ集中制御システム(旧NETIS:KT-130066-A)」と連携させることで、コンクリートが打ち上がった箇所に対し、タイマー制御によって自動で締固めを行うことができます。

従来工法との比較

  • 打設高さをリアルタイムに「見える化」したことにより、コンクリートを左右均等に打設することができるため、偏圧による変形やコールドジョイント等の不具合の発生を防止できます。
  • 通常、打設空間は照明を設置しなければ暗闇で何も見えませんが、多数のLED照明によって打設空間の照度が確保され、作業効率や安全性の向上にも寄与しています。

主な適用範囲

山岳トンネル工事の覆工コンクリートセントル

主な実績

  • 長門俵山道路 大寧寺第3トンネル北工事(2016~2018年、発注者:国土交通省中国地方整備局)

外部団体への登録状況