CIVIL ENGINEERING
TUNNEL

地下空間・山岳トンネルの技術

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発破超低周波音制御装置 TBI(Tunnel Blasting Infrasound)レゾネータ Type-F

トンネル工事の発破作業では、音として聞こえる騒音だけでなく、20 Hz以下の超低周波音が発生します。超低周波音は人の耳では聞こえないといわれていますが、窓ガラスや建具などのがたつきを発生させます。発破に対する苦情で最も多いのは、この超低周波音に起因したものといわれています。
トンネル工事の発破音の対策は、防音扉を設置して遮音する方法が一般的ですが、超低周波音の消音効果が十分に得られない場合があります。TBIレゾネータは、音響管の共鳴現象を利用することで超低周波音を低減します。超低周波音の卓越成分を効率的に消音することができるので、がたつきをなくし、周辺環境にやさしい発破作業を実現します。

長門俵山道路 大寧寺第3トンネル北工事への適用状況 イメージ

長門俵山道路 大寧寺第3トンネル北工事への適用状況

豊川用水第二期東部幹線併設水路赤羽根下流工区工事への提供状況 イメージ

豊川用水第二期東部幹線併設水路赤羽根下流工区工事への提供状況

技術の特徴

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    音響管の共鳴現象を利用した音場制御による消音

    • TBIレゾネータは、形状の異なる複数の音響管の集合体です。音響管は、一端が開口、他端が閉口の中空の管で、長さによって共鳴する周波数が変わります。この音響管をトンネル内の適切な位置に設置することで、トンネル内の音場を制御して、超低周波数が発生しにくい空間にします。
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    高い消音効果

    • TBIレゾネータの消音効果は、トンネルに対する音響管の断面積の比(面積比)と、設置位置によって決まります。音響管の面積比を5%として適切な位置に設置した場合、共鳴周波数で最大約15 dBの消音効果を実大実験で確認しています。
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    トンネルに合わせたレイアウト

    • トンネルの形状や設備配置に合わせたレイアウトが可能です。音響管をレールに設置した架台に搭載したり、タイヤ付きの台車に乗せたりすることで、トンネル内外での移動も可能になります。

従来工法との比較

  • 超低周波音に特化した消音効果
    従来の防音扉で消音しにくかった超低周波音を効率的に消音できます。

主な適用範囲

トンネル工事全般

主な実績

  • 長門俵山道路大寧寺第3トンネル(平成30年竣工)
  • 豊川用水二期東部幹線併設水路赤羽根下流工区工事 (令和2年竣工予定)

外部団体からの表彰・外部団体への登録状況

  • 日本騒音制御工学会平成29年度環境デザイン賞受賞
  • NETIS登録番号:CG-170002-A、発破超低周波音消音装置
  • 特許:第6175090、トンネル発破音低減装置

共同開発者

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関連資料
ニュースリリース:https://www.tobishima.co.jp/press_release/detail/20200403100016.html
関連技術
 
関連論文
  1. 岩根康之、小林真人、内田季延、渡邉博、川澄卓也、関根秀久、安田洋介:トンネル発破超低周波音消音装置の消音効果に関する検討、土木学会第72回年次学術講演会概要集 Ⅵ-227、pp.453-454、2017.9
  2. 小林真人、岩根康之、安田洋介:トンネル発破で発生する超低周波音の消音装置、騒音制御 第41号6巻、pp.258-261、2017.12
  3. 岩根康之、小林真人、内田季延、川澄卓也、関根秀久、安田洋介:トンネル発破超低周波音を対象とした共鳴型消音装置の配置について 1次元音場による検討、日本騒音制御工学会秋季研究発表会講演論文集 2018、pp.75-78、2018.10
  4. 菅原健、藤本克郎、岩根康之、小林真人、川澄卓也、安田洋介:狭小トンネルへの発破超低周波音消音装置の適用、土木学会第74回年次学術講演会講演概要集、2019.9